図面と違う工事なのに、欠陥住宅ではないってどういうこと? 欠陥にみえてしまうトラブル事例

契約上の図面と異なる施工をされたのに、欠陥ではないといわれました。そんなことってあるのですか?

ケースによってはありえます。契約履行義務違反があっても、必ずしも欠陥住宅とは限りません。


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  • 杭の本数が足りなかった
  • 筋かいや耐力壁が足りなかった
  • 図面と異なる材料を使用してしまいシックハウス症を発症した

これらは、どれも欠陥住宅といわざるを得ないような工事ミスです。

しかし、これらが結果として欠陥住宅ではなかったというケースもあるのです。

「? ちょっと何を言ってるかよくわからない」という方のために、そのあたりをくわしく見ていきましょう。

重大な工事ミス(契約履行義務違反)=欠陥 というわけではない

施工者側に重大な契約履行義務違反があった場合、施主の感情としては容認できない事態なわけですから、欠陥住宅だと主張したくなるのもうなずけます。

しかし、仮に建物の性能が低下したとしても、建物が最低限備えるべき性能までは損なっていない場合、必ずしも欠陥住宅とまではいえないのです。

まず、工事の重大ミスが生じたときの解決方法の手順について見てみましょう。

工事に重大ミスが生じたときの解決フロー

つまり、欠陥住宅と、単なる契約履行義務違反はそれぞれ分けて考える必要があるということなのです。

当然、契約履行義務違反の結果、欠陥住宅となってしまった場合は、相手に契約の履行を求め、その欠陥を改善し、住宅の性能を回復してもらうのは言うまでもありません。

結果として欠陥ではなかった場合の解決方法

契約履行義務違反はあったが結果として欠陥ではない場合については、その解決方法については当事者間で協議して決めるのが一般的です。

回復工事が容易であればいいのですが、そうでないときは、住宅はそのまま引き渡すこととし、そのうえで、契約履行義務違反によって生じた施主の損害の回復を、別途金銭的な方法やアフター保証の約束などにより解決する場合もあります。
協議の上解決
「契約履行義務違反なのだからすべて完全回復」といいたいところですが、それをすることによる施主のメリットがほとんどないということもありますので、そこは単に完全な契約履行のみを求めるのではなく、契約当事者双方にとって望ましい、合理的な解決法を探るのが現実的です。

施工業者を選んだのは施主・・・。施工業者の起こしてしまったミスはミスとして受け入れ、結果オーライなのだから、前向きに解決方法を考えよう・・・苦しいですが、このような決断が必要な場合もあるといえます。

感情的には受け入れがたい部分もありますが、感情を前面に出すと解決が余計に遠のいてしまいます。


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感情で欠陥住宅問題が解決困難になる

施主の意識や感情、業者との意思疎通の問題が欠陥住宅問題を複雑化させる場合があります。

軽微な不具合が発生したとしても、「安く建ててもらったのだから、これくらいは文句は言えない。」という人もいれば、「これは欠陥だ!断じて許せない。」という人もいます。

また、建築業者のあまりにもモラルの低い対応が原因で、すべての問題が欠陥に見えてしまったり、施主が過度に神経質なために、小さな問題を誇張して欠陥住宅と直結させてしまうケースもあります。

欠陥の断定を目的にしても意味がない

上記フローからもわかるとおり、相手に改善を求めやすいという印象から、施主が「欠陥」と呼ぶことにこだわる場合があります。

欠陥かどうかを認定する機関や明確な基準などはありませんが、簡単にいえば、建物としての基本性能を欠く重大な不具合があるかどうかで判断すべきでしょう。

本来、視点として重要なのは「欠陥」という言葉で呼ぶかどうかを決めることではなく、起こった不具合が重大なのか、原因は何か、施主・設計者・工事監理者・施工業者に過失がそれぞれどの程度の割合なのかを冷静に見定め、最も合理的でそれぞれの過失割合に応じて負担の少ない改善方法をみつけることです。

しかし、一般的には素人である施主が、これを冷静に判断することは困難です。
「欠陥なんだから全部直すべきだ!」となってしまうのですね。

結局、専門用語もよくわからないまま、感情的になり、施工業者と噛みあわない主張をぶつけ合い、

「欠陥だ!」「いや、これは欠陥ではない!」というやりとりを繰り返します。

そして、くたくたに疲弊することになるのです。

第三者の工事監理者がいれば感情的にならず、冷静な解決法を探れるが・・・

これらを、未然に防ぐ方法としては、施主と施工者との間に入って、施主の利益代行者として施工業者とやり取りを行ってくれる専門家を契約期間中に工事現場に関与させることです。

そのために用意されているのが工事監理者という制度なのですが、これが、うまく活用されるケースは少ないのが現実です。

本来はこの工事監理者に第三者性を持たせることをお勧めしたいのですが、工事監理者制度そのものを知らない施主がほとんどかもしれません。(これについての詳細はここでは省略します。)

現実にはハウスメーカーや工務店の社員が工事監理者になっているというのが主流ですが、その時点で、そういった第三者による円滑な解決を望むことは難しいでしょう。

となれば、やはり自分である程度、事の本質を把握しておく必要があります。

以下の、欠陥のようで欠陥ではないという実例も参考にしながら、冷静にものを見る目を持つように心がけてみてください。

感情が先に立っては、全てが欠陥に見えてしまい、解決が遅れ、自分が苦しむことになってしまいます。

欠陥に見えるが、欠陥と断定することができない事例

設計図面や仕様書と異なる工事を行ったが、結果オーライなケース

①杭の本数を設計では40本のところ35本で施行した

あなたの住宅を基礎の下でしっかり支える杭の本数が、設計本数よりも少ないと後で知ったら、きっと驚くのではないでしょうか。それこそ「欠陥住宅だ!」と言いたくなるでしょう。
住宅の基礎
しかし、ここで紹介するケースは、欠陥とはならずに、建築業者の謝罪で済んだ例です。

通常、基礎地盤設計を行う際は、地盤の状態と、杭の性能から杭1本当たりの受け持つ支持力を算出し、建物の重量から必要本数を割出します。

もし、計算上40本が必要と算出されたなら、35本しか打たない時点で欠陥住宅となるのは、言うまでもありません。

しかし、ここでのケースは、計算上の必要本数が30本だったが、余裕やバランスを考慮して40本の設計としていたので、35本としても必要性能を欠くことにはならないため、欠陥という結論には至らなかったのです。

余裕を持たせた設計から余裕分を削るというのは建築現場ではよく行われることでもあり、技術的には問題ないといえます。
ただ、唯一の問題は、事前に建築主への説明と、設計変更の手続きがなかったことです。

建築主にしてみると、図面通り工事を行わないのだから、建築業者の契約履行義務違反となりますし、技術的に問題ないとはいえ、実際に建物の支持力性能も減少しているわけですから、不当な手抜きにより不利益を被ったことになります。

しかし、事後発覚ではなく、事前に説明を受けて設計変更を行っていれば、欠陥でもなんでもないわけです。結局、結果オーライということで、建築業者が謝罪して欠陥問題は収束しました。

ちなみに、建築業者がなぜ杭の打ち込み本数を5本減らしたかというと、契約後に追加料金なしで、施主から不当に追加工事を要求されたから・・・だそうです。
いわゆる、帳尻合わせですね・・・。

実は、このように施主が自ら業者の手抜きを誘発するケースは意外とあるのです。

②ミスにより必要な筋かいが設置されなかったケース

地震が起った際に、ゆれに耐える部材として最も重要なのが筋かいや耐力壁です。

この筋かいの設置本数や、配置のバランスは、建築基準法で定められていますので、これの通りに設置しなければいけません。
地震に強い家
さて、この筋かいが施工業者の失念により、図面通りに設置されていないことが、あとで発覚することがたまにあります。

工事中の写真を後で見てわかることもありますし、築後何年か経過してからのリフォームで発覚することもあります。

通常は見えない構造上重要な部材である筋かいが、一部設置されていないとなると、まさに、耐震偽装に匹敵する悪質な手抜きと考えざるをえません。
それこそ「欠陥住宅だ!」と叫びたくなるでしょう。

しかし、筋かいが一部不足しても、法律上の基準に適合する場合、欠陥住宅と断定することまではできないのです。
最初からそういう設計であれば、何の問題もない住宅なのですから。

もちろん、設計図面通りに行わない建築業者は契約履行義務違反を問われることになりますし、基準はクリアしているとはいえ、契約時の建物性能より耐震性が落ちることとなりますので、建築主への損害は否定できません。

さらに、他にも施工漏れがあるのではないかという不信感を抱きながら住み続けなければいけないというストレスも生じるでしょう。

また、設計通りに補修工事を求めたら、「基準はクリアしているし、役所の検査も通っている。」と開き直られたりすれば、多大な精神的苦痛を受けることにもなります。

結果はオーライなので、欠陥住宅とまでは言えない。
しかし、何とも癒しがたいしこりが残るケースです。

その他にも、重要な金物の設置漏れ、取り付け方法の誤り・ボルトの締め忘れなどのミスも少なくありません。

このような壁の中の後で見えなくなってしまう部位の検査は、特に第三者的な目線での検査が重要なので、そのような体制による発注形態とするかを、あらかじめ施主の意志で検討しておくことが大切です。

施工上の不手際と、被害の因果関係の立証が難しいケース

指定の床材と異なる材料で施工してしまい、施主がシックハウス症を発症

人間の健康に重大な被害が生じてしまう住宅は、欠陥住宅といえるでしょう。
まして、設計と異なる材料で施行してしまったとなれば、建築業者の責任は重大です。
シックハウス
しかし、材料は間違ったけれど、その材料自体にシックハウス性能に全く問題がない場合、これも果たして欠陥住宅と断定できるかどうか、難しいところです。

結果として健康問題が生じたのだから、完全に結果責任は免れないのかもしれませんが、シックハウス性能が劣る材料を誤って施工したのならともかく、性能に当初との違いがなければ、材料違いを理由として業者の非を100%求めるのは難しいかもしれません。

なぜなら、シックハウス発症の因果関係を立証するのはとても難しいからなのです。

  • 材料を間違わなかったら、絶対にシックハウス症を発症しなかったか?
  • 違う誰かが住んでも、必ずシックハウス症を発症するか?

この立証はとても困難を極めます。

建築基準法のシックハウスの基準は特定物質を含んだ建材の使用制限と24時間換気の設置です。

材料間違いはあったにせよ、この基準を完全にクリアした住宅である場合、特別なシックハウス対策を盛り込んだ契約でなければ、契約通りに履行した建築業者に100%の責任を求めるには限界があります。

さらに、シックハウス問題の難しいところは、

  • 発症に個人の体質が関係している
  • 建築基準法が規制する2物質だけが化学物質ではない
  • 規制を受けない家具や日用品から発生する様々な化学物質に反応する場合もある

といった点が関係してくることです。

契約時の材料と同等品とはいえ、材料間違いがあったことは、確かに、施主にとってはぬぐいきれない疑問や不信感が残ります。

「材料さえ間違わなければ、シックハウス症候群にならなかったのでは?」という感情は、どんなに科学的な説明を受けても消し去ることはできないものです。

しかし、最低限の義務基準である建築基準法よりも高いレベルのシックハウス性能を住宅に持たせるかどうかは、施主の意識次第という面もあります。

業者の施工ミスに全ての結果責任を押し付けてしまいたいという気持ちもわかりますが、欠陥住宅だと断定することが特に難しいケースといえるでしょう。

まとめ

これらの例からわかるように、重大な工事ミスが全て欠陥住宅とは限らないということがいえます。

確かに上記の例では、いずれも印象がかなり悪いです。

しかし、事前のきちんとした設計変更の手順を踏んでいれば、感情面での不快感は解消できるものばかりです。

単なる契約違反欠陥住宅は分離して、冷静に判断することが円滑な解決の近道ということを覚えておいてください。

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