住宅ストック循環支援事業 3つの補助メニュー

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平成28年10月11日、平成28年度第2次補正予算が成立し、「住宅ストック循環支援事業」として中古住宅やエコリフォームに対する支援が実施されることになりました。

住宅ストック循環支援事業の補助メニューとしては大きく分けて以下の3つの支援策が実施されることになります。

「住宅ストック循環支援事業」 補助メニュー

当ページは、この「住宅ストック循環支援事業」の3つの補助メニューのうち、Ⅱ.良質な既存住宅の購入に対する補助金についての説明になります。

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良質な既存住宅の購入に対する補助金の概要

1.事業の概要

若者(40歳未満)が中古住宅を購入し、良質な住宅への改修(エコリフォーム)をした場合に国の支援が受けられます。その支援の概要について以下に示します。

中古住宅購入費に対する補助ではなく、あくまでも補助対象はインスペクション(住宅現況調査)とエコリフォームの費用になります。

平成28年度住宅ストック循環支援事業
Ⅱ.良質な既存住宅の購入に対する支援の概要
補助額
  • インスペクション費用5万円/戸
  • リフォームの工事内容に応じて定める額(定額)
補助限度額 50万円/戸(インスペクション+エコリフォーム合計額)
耐震改修を行う場合は65万円/戸
主な要件
  • 40歳未満(※1)の者がマイホームとして中古住宅を購入すること
  • インスペクション(※2)を実施すること
  • 既存住宅売買瑕疵保険(※3)に加入すること
スケジュール 売買契約期間:平成28年10月11日~遅くとも平成29年6月30日
住宅の引渡し:遅くとも平成29年12月31日まで
補助金交付申請受付期間:
(第1回)平成29年2月1日~平成29年2月28日
(第2回)平成29年5月1日~平成29年6月30日
(第3回)平成29年8月1日~平成29年9月7日
(買取再販住宅については事業登録したものに限る)
交付申請は平成29年9月7日で受付を終了

※1:第2次補正予算成立日(平成28年10月11日)の時点で40歳未満であること※2:建築士により「既存住宅インスペクション・ガイドライン(国土交通省平成25年6月公表)」に沿って実施される既存住宅の現況調査をいいます。※3:万が一、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合でも、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は買主)に支払われる保険です。
原則として不動産業者や検査事業者が加入する保険で、購入する個人が加入する保険ではありません。


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2.補助対象費用、補助限度額について

補助対象費用は、

  • ➊インスペクション費用
  • ➋エコリフォームの対象工事費用

の2つとなります。
中古住宅の取得支援という趣旨なのですが、あくまでも中古購入とセットで行う「リフォーム」「インスペクション」に対する補助金であり、住宅の取得費に対する補助金ではない点に注意しましょう。

補助額は、

  • インスペクション費用:5万円/戸
  • リフォームの工事内容に応じて定める額(定額)

となっており、補助限度額は2つを合わせて50万円/戸となります。(耐震改修を行う場合は65万円/戸)

➋のエコリフォームの対象工事および補助額については後段に示します。

3.要件における留意点

補助要件の重要な点について、Q&A形式でまとめました。

いつの時点で40歳未満であればいいのか
まず、40歳未満であることの要件ですが、第2次補正予算成立日(平成28年10月11日)の時点で住宅購入者が40歳未満であることとされています。

よって、この日以前に40歳になっている方は、残念ながら補助対象外となってしまいます。

なお、40歳を超えている方は、年齢に関係なく持家のエコリフォームをする場合に補助金が受けられる、同事業のもう一つの補助メニューである以下をご参照ください。(中古住宅取得後のエコリフォームでも利用が可能です。)

Ⅰ.エコリフォームに対する補助金

住宅の売買契約や引渡し期限は?
売買契約の期間は第2次補正予算成立日(平成28年10月11日)~遅くとも平成29年6月30日とされています。

なお、エコリフォームの完了、住宅の引渡し期限は遅くとも平成29年12月31日までとされています。

エコリフォームを行わない・・・つまり、中古住宅を購入するだけで補助金はもらえないの?
補助要件ではインスペクションは必須ですが、エコリフォームを行うことが必須とはなっていません。
よって、エコリフォーム工事を行わなくても補助の要件を満たすことが可能です。

ただし、補助金の対象は住宅の取得費ではなく、あくまでもインスペクション費用とエコリフォームの対象工事費用となります。

つまり、エコリフォームを行わない場合の補助額はインスペクション費用の5万円/戸となります。

耐震性のない住宅でも補助金が受けられるの?
耐震改修を行った場合は補助限度額が15万円アップしますが、耐震性を確保することが補助の要件として明示されていません。

一見すると、耐震性がなくても補助を受けられるように見えますが、要件の一つに既存住宅売買瑕疵保険への加入があることから、実質的には耐震性が確保されることが要件となります。
(既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、新耐震基準等に適合することが必要とされているため。)

4.対象工事、補助額

■補助対象工事

次の①~③のいずれか1つの実施が必須となります。
また、①~③の補助額の合計が5万円以上である必要があります。

エコリフォーム

  • ①開口部の断熱改修(※ⅰ)
  • ②壁、屋根・天井又は床の断熱改修(※ⅰ)
  • ③設備エコ改修(※ⅰ)(エコ住宅設備のうち3種類以上を設置する工事)
  • ④上記①~③のいずれかと併せて実施する以下のA~Eの改修工事等

④併せて対象とするリフォーム等

  • Aバリアフリー改修(手すり設置、段差解消、廊下幅等の拡張)
  • Bエコ住宅設備の設置(※ⅰ)(1種類または2種類の設置)
  • C木造住宅の劣化対策工事 (※ⅱ)(土間コンクリート打設等)
  • D耐震改修
  • Eリフォーム瑕疵保険への加入

※ⅰ:①、②の断熱改修及び③、④-Bのエコ住宅設備は、事務局に登録された製品のみが対象※ⅱ:リフォーム瑕疵保険に加入するものが対象

【エコ住宅設備とは】
太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯機、節湯水栓


■補助額

①開口部の断熱改修
大きさの区分
内窓設置・外窓交換
(1箇所当たりの補助額)
2.8㎡以上 1.6㎡以上
2.8㎡未満
0.2㎡以上
1.6㎡未満
20,000円 14,000円 8,000円
ガラス交換
(1枚当たりの補助額)
1.4㎡以上 0.8㎡以上
1.4㎡未満
0.1㎡以上
0.8㎡未満
8,000円 5,000円 3,000円
ドア交換
(1箇所当たりの補助額)
開戸1.8㎡以上
引戸3.0㎡以上
開戸1.0㎡以上1.8㎡未満
引戸1.0㎡以上3.0㎡未満
25,000円 20,000円
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
外壁 屋根・天井
120,000円
(60,000円※1)
36,000円
(18,000円※1)
60,000円
(30,000円※1)
備考
※1 部分断熱の場合の補助額を示す。
③設備エコ改修(以下のエコ住宅設備のうち3種類以上を設置するもの)
太陽熱利用システム 節水型トイレ 高断熱浴槽
24,000円 24,000円 24,000円
高効率給湯機 節湯水栓 備考
各1カ所のみ対象
24,000円 3,000円

④ 併せて対象とするリフォーム等(上記①~③のいずれかと併せて実施する以下の改修工事等も補助対象)

④-Aバリアフリー改修
手すりの設置・段差解消 廊下幅等の拡張
6,000円 30,000円
備考
各1カ所のみ対象
④-Bエコ住宅設備の設置
(以下のエコ住宅設備のうち1種類又は2種類の設備を設置するもの。3種類以上設置する場合は、③設備エコ改修に該当)
太陽熱利用システム 節水型トイレ 高断熱浴槽
24,000円 24,000円 24,000円
高効率給湯機 節湯水栓 備考
各1カ所のみ対象
24,000円 3,000円
④-C木造住宅の劣化対策工事
小屋裏 小屋裏換気口設置 8,000円
小屋裏点検口設置 3,000円
浴室・脱衣室 浴室のユニットバス設置 30,000円
脱衣室の耐水性仕上げ 8,000円
床下等 外壁の軸組等及び土台の防腐防蟻措置 20,000円
土間コンクリート打設 120,000円
床下点検口設置 3,000円
備考
・リフォーム瑕疵保険に加入するものに限る
・各1カ所のみ対象
④-D耐震改修
150,000円/戸
④-Eリフォーム瑕疵保険
11,000円/契約

5.スケジュール

■売買契約期限:平成28年10月11日~遅くとも平成29年6月30日

■住宅の引渡し期限:事業者登録を行った日~遅くとも平成29年12月31日まで

事業者登録とは、建設業者が補助事業者として補助金事務局に基礎情報を登録する手続きをいいます。事業者登録の期間は平成28年11月1日~平成29年3月31日となっています。

なお、個人間売買ではなく不動産事業者から中古住宅を購入する場合(買取再販物件)は、物件の「事業登録」を行った日以降に住宅引渡しを行う必要があります。
事業登録:平成28年12月12日~平成29年3月31日

■補助金交付申請
(第1回)平成29年2月1日~平成29年2月28日
(第2回)平成29年5月1日~平成29年6月30日
(第3回)平成29年8月1日~平成29年9月7日
(買取再販住宅については事業登録したものに限る)
交付申請は平成29年9月7日で受付を終了

事業者登録および事業登録以外の期限は、事業の実施状況を踏まえ変更される場合があります。

6.補助申請者、補助金の交付について

補助申請者となれるのは、売り主となる不動産業者またはインスペクションを行う検査事業者となります。
補助金の交付申請に先立って、事務局に事業者登録を済ませることになっています。

なお、補助金は補助申請者に対して交付されることになりますが、補助金は必ず住宅を購入する方に還元されることになっていますので、買主の方は見積書などの費用明細に補助額の還元が明記されているかしっかり確認するようにしましょう。

また、この補助制度を活用して中古住宅を購入する場合は、エコリフォームや補助金の手続きにしっかり対応できる業者さんに依頼するようにしましょう。

関連する補助制度

このページの内容は「住宅ストック循環支援事業」の3本柱の一つであるⅡ.良質な既存住宅の購入になります。
他の補助メニューについては以下を参照ください。

平成28年度住宅ストック循環支援事業一覧
補助メニュー 補助限度額・主な要件
Ⅰ.住宅のエコリフォーム 補助限度額
エコリフォーム費用に対して30万円(45万円)/戸

主な要件

  • エコリフォームを行うこと
  • リフォーム工事後に耐震性が確保されていること
Ⅱ.良質な既存住宅の購入(このページ) 補助限度額
インスペクション+エコリフォーム費用に対して50万円(65万円)/戸

主な要件

  • 40歳未満の者がマイホームとして中古住宅を取得すること
  • 建物状況調査(インスペクション)を実施すること
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入すること
Ⅲ.エコ住宅への建替え 補助限度額
エコ住宅建設費用に対して50万円/戸

主な要件

  • 耐震性のない住宅を除却すること
  • エコ住宅に建替えること
( )は耐震改修を行った場合の額

なお、中古住宅取得、またはエコ関連工事には他にも優遇制度がありますので、以下もご参照ください。

制度の詳細

  • 住宅ストック循環支援事業事務局