モーゲージバンクのフラット35の業界シェアが高い理由は?

 日本でも2003年10月に公庫の証券化事業が開始されて以降、次々とモーゲージバンクが登場し、2010年3月時点でフラット35の利用者のおよそ65%がモーゲージバンクからの利用者となっています。

約65%の方がモーゲージバンクを利用

 モーゲージバンクとは、預金業務を行わない貸し出し専業の金融機関をいいます。通常の銀行のように預金を原資とせずに、住宅ローン債権を住宅金融支援機構が証券化し投資家に債権を売却することによって資金を調達します。

 預金窓口の店舗経営コストを省くなどのローコストオペレーションにより、業界最低金利を提供することが可能なのが最大の特徴です。

 融資手数料の安さ、フラット35向けのつなぎ融資や保険などの付帯サービスの充実、融資枠の広さ、融資実行までのスピード・対応など、業界間の激しい競争を背景として、顧客満足度向上への対応に遜色がなく、なおかつ業界最低金利を提供し続けている点がモーゲージバンクがシェアを伸ばしている理由と考えられます。

 モーゲージバンクは銀行のように支店が張り巡らされていないため、インターネット・郵送のみでの手続きに不安がある方にとってはなじまないのですが、それでもモーゲージバンクのシェアが高いのは、利用者が金利の安さを優先する傾向が強い結果であるといえるでしょう。
 
 手続きに不満があってもそれは一瞬のこと・・・。利息負担は一生続きますから金利の低さを重視するのは当然といえるでしょう。

SBIモーゲージの業界シェアが高い理由は?

 SBIモーゲージのフラット35取扱い実績が業界No.1となっている理由とは何でしょうか。

 前述のように、サービスと金利の低さでフラット35の利用者がモーゲージバンクを選ぶようになったのですが、中でもSBIモーゲージの取扱い件数が増えているのは、窓口対面サービスを重視した店舗展開が顧客に評価されているからと考えられます。

 モーゲージバンクはほぼ横並びで最低金利を出しています。その他のサービスを比較しても、飛びぬけて利用者をひきつけるほどの差はありません。最安を優先するなら融資手数料の安い楽天モーゲージが勝っています。

 しかし、現実のところ住宅ローン利用者は対面サービスを重視する傾向がとても強いのです。やはりインターネット・郵送・電話だけで手続きを済ませるのは不安な部分があります。一度はフェイス・トゥー・フェイスでしっかりと確認したうえで手続きを進めたいという方が非常に多いのです。

 また、住宅ローン利用者の選択と決定にとても大きな影響を持っている住宅販売・仲介業者にとっても、手続き面で対面サービスが近くで受けられるのは大きなメリットになります。

住宅ローンの決定に最も影響力がある住宅販売事業者も住宅ローンを取り扱う上で窓口での対面サービスを求める傾向が強い


 これらのニーズに対応しているのがSBIモーゲージの店舗展開なのです。土日営業なので仕事を休まずに手続きができるのも一般利用者にとってありがたい対応です。

 横並びの低金利を提供するモーゲージバンクの中で取扱い実績が高い理由はこの辺りにあるようです。

 一方、SBIモーゲージの窓口対応に不満の声が聞かれることがあります。店舗や担当者の違いによる場合が考えられますが、フランチャイズ方式で店舗拡大を急速に行っているため、大手銀行と同様な接遇を求めるのは難しい面もあるかもしれません。

 店舗経営コストをかけずに最低金利を提供するところにモーゲージバンクの強みがあるわけですから、社員教育に力を入れ接遇が向上しても、金利が上がったのではモーゲージバンクを利用するメリットが生まれません。よって、ある程度その辺に対する理解は必要でしょう。

 しかし、不満の声は一部のものであり全てを表しているわけではないとみるべきでしょう。モーゲージバンクに対する顧客満足度は総じて低くないのです。

フラット35利用者の金融機関別満足度をみると、モーゲージバンクの事務手続きの評価は決して低くない

SBIモーゲージを選択肢の一つに

 最近では、フラット35を複数の金融機関にとりあえず申し込んで最終的に絞り込む方法をとられる方も増えています。この方法は住宅金融支援機構でも問題ないとしています。(⇒こちら

 金融機関によって融資の承認・非承認、融資可能額の違いなどがありますから、一つの金融機関に決め打ちせず、複数の金融機関に申し込んでおくのが合理的です。

 SBIモーゲージの人気が高いとはいえ、全ての方になじむわけではありません。よって、選択肢の一つに加えてみるというのがよいのではないでしょうか。全国にある近くのショップで土日や平日夜でも来店相談が可能ですから、気軽に相談してみると良いでしょう。