フラット35Sのわかりやすい解説‐2017 フラット35との違い、返済比較シミュレーション

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民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利のフラット35・・・この金利が一定期間引下げられるフラット35について解説します。

  • フラット35とフラット35は何が違うの?
  • フラット35はどれくらいお得なの?
  • どんな条件を満たせばいいの?

これらについて、具体的なシミュレーションとともに、わかりやすく図で説明していきます。

優遇内容は毎年変わりますが、今年度も実施されるフラット35・・・もし長期金利を検討するなら、よりお得な商品を選択したいものです。

みなさんの選択肢の一つとして、参考にしていただければと思います。


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フラット35Sとは フラット35とどう違うの?

フラット35とは、かんたんにいうとフラット35の金利を優遇したものですが、まず、フラット35がどのようなものかを見てみましょう。

そもそもフラット35とは

フラット35のイメージ

フラット35のイメージ 金利変動がなくずっと同じ金利

完済までずっと同じ金利なので、返済額上昇の不安がない。

このように、終始金利が変わらない完全固定金利というのが特徴です。
「変わらない安心・・・」というキャッチコピーが有名ですね。

フラット35はこのフラット35が以下のように優遇されます。

フラット35は当初金利が引き下げられる

フラット35のイメージ

フラット35Sのイメージ フラット35から当初の金利 が引下げられる

フラット35よりも、当初期間の金利(平成29年度は年▲0.25%)が優遇されます。

当初一定期間の金利が優遇されるため、元金償還速度が速く、総利息負担が減るというのが特徴です。

フラット35で求められる住宅性能よりも、より高い性能を満たすことで適用が可能となります。(性能については後半で説明)

フラット35には2つの引下げプランがある

なお、このフラット35には以下のように2つのタイプがあり、住宅の性能に応じて適用プランが変わってきます。

フラット35の2つのプラン

Aプランは10年間Bプランは5年間、当初金利が優遇されます。(金利の引下げ幅は同じ)

フラット35Sの2つのプラン Aプランは10年間、Bプランは5年間当初金利が優遇

AプランはBプランよりも高い住宅性能が必要になります。

平成29年度のフラット35は、平成28年度と同様、「金利Aプラン」「金利Bプラン」として継続されることになります。

表にまとめると以下のようになります。

2017(平成29年度)のフラット35の概要
金利プラン 金利引下げ期間 金利引下げ幅
金利Aプラン 当初10年間 フラット35の金利から
▲0.25%引下げ
金利Bプラン 当初5年間
※2018年3月31日までの申し込み受付分に適用。

フラット35は、国の利子補給により実現しており、年によって優遇幅が変わるのですが、近年、金利の低下とともに優遇幅が年々縮小傾向にあります。
昨年度フラット35に対しての引下げ金利が0.3%だったのが、今年度は0.25%と縮小となっています。

また、この優遇措置は平成30年3月31日までの申し込み受付分に適用(予算に達する見込みの場合は受付終了)となっています。

なお、最新のフラット35の各行の金利については、以下のページでまとめていますのでご参考ください。
今月の各銀行のフラット35最新金利

それでは次に、フラット35がどれくらいお得なのかを見てみましょう。

フラット35Sはどれくらいお得なのか?

フラット35とフラット35の返済額をを比べてみます。

まず、総返済額と総利息の全体の比較イメージを見てみましょう。

フラット35とフラット35の返済比較

フラット35の返済イメージ

フラット35の返済イメージ

■モデルケース
金利:年1.37%(平成29年11月期、機構団信付き、融資率9割以下)
借入額:3,000万円
返済期間:35年
返済方法:元利均等方式

当初期間は利息も少なく、その分、元金が多く返済されていることがわかります。
元金がより多く減った分、その後その元金にかかる利息も減るため、総利息が少なくなるのです。

このほか、当初金利、毎月返済額など具体的内容を詳しく見てみましょう。

フラット35、返済額・総利息比較シミュレーション

上と同じモデルケースで返済内容を詳しく比べてみます。

■フラット35とフラット35の返済内容比較

返済タイプ フラット35 フラット35
金利Aプラン 金利Bプラン
金利 ※1 1.37% 当初10年間
1.12%
当初年間
1.12%
11年目以降
1.37%
6年目以降
1.37%
毎月返済額 89,956円 当初10年間
86,373円
当初5年間
86,373円
11年目以降
88,978円
6年目以降
89,471円
借入元金 3,000万円 3,000万円 3,000万円
総利息額 778万円 705万円 739万円
融資事務手数料 ※2 32.4万円 32.4万円 32.4万円
総返済額 3,810万円 3,737万円 3,771万円
フラット35との差 ▲73万円 ▲39万円
※1 金利:平成29年11月期(機構団信付き、融資率9割以下)の金利
※2 融資事務手数料:業界最低水準の楽天銀行(手数料率1.08%)とした場合の融資事務手数料
※団体信用生命保険料は金利に含んでいるため不要。
※保証料不要
※別途、印紙税、登録免許税(抵当権設定)、司法書士報酬など約11万円程度がかかります。

金利引き下げの効果を見てみると、最大で約73万円と、元金の多い初期の段階で低金利で元金償還速度を上げる効果がやはり効いています。

ただ、以前は1%引き下げという時代(平成22年)もありましたので、フラット35の優遇額のインパクトがかなり減ってしまった印象はあります。(当時は同様のシミュレーションで300万円以上もお得となっていました。)

しかし、その時代と比べると金利自体が大きく下がっていますので、金利面での住宅取得環境としては現在の方が勝っているといえるでしょう。(平成22年4月期のフラット35の金利は年2.84%

それでは次に、利用にあたってどのような基準を満たす必要があるのかについて見ていきましょう。

フラット35の利用条件(技術基準)

フラット35の金利優遇を受けるためには、所定の住宅性能を満たす必要があります。

そのためにはまず、フラット35の技術基準を満たす必要があり、その上でフラット35の基準を満たさなければなりません。

つまり、


金利Aプランを利用したい場合は、
フラット35の基準
+フラット35金利Aプランの基準

金利Bプランを利用したい場合は、
フラット35の基準
+フラット35金利Bプランの基準


をそれぞれ満たすということになります。

それでは、まず、必須のフラット35の基準について見てみましょう。

フラット35の基準とは

フラット35を利用するための技術基準

一般的な住宅に求められる標準的な以下の基準

  • 住宅の通気、防腐措置など、耐久性等に関する基準
  • 住宅の断熱構造化に関する基準
  • 住戸の必要面積、部屋数、戸建形式などの基準

フラット35の技術基準の詳細は⇒コチラ(住宅金融支援機構)

詳細は省略しますが、このフラット35の基準は、端的にいうと、普通に住宅を建てればほぼ満たされる基準であるため、特別な負担感はありません。

つまり、実質的には以下の基準を満たせばよいと考えてよいでしょう。

フラット35を利用するための技術基準

上記のフラット35の技術基準に加え、各金利プランに応じて以下を満たす必要があります。

フラット35(金利Aプラン)
(新築・中古住宅共通基準)
以下の(1)から(6)までのうち、いずれか一つ以上の基準を満たすこと
省エネルギー性 (1)認定低炭素住宅
(2)一次エネルギー消費量等級5の住宅
(3)性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
耐震性 (4)耐震等級(構造躯体の倒壊防止)3の住宅
バリアフリー性 (5)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
耐久性・可変性 (6)認定長期優良住宅
フラット35(金利Bプラン)
(新築・中古住宅共通基準)
以下の(1)から(6)までのうち、いずれか一つ以上の基準を満たすこと
省エネルギー性 (1)断熱等性能等級4の住宅
(2)一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
耐震性 (3)耐震等級(構造躯体の倒壊防止)2以上の住宅(4)免震建築物
バリアフリー性 (5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 (6)劣化対策等級3以上の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅等は、一定の更新対策が必要)
(中古住宅特有の基準)
以下の(1)から(4)までのうち、いずれか一つ以上の基準を満たすこと
省エネルギー性
(開口部断熱)
(1)二重サッシまたは複層ガラスを使用した住宅
省エネルギー性
(外壁等断熱)
(2)次のいずれかの住宅
  • 建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2以上)
  • 中古マンションらくらくフラット35のうちフラット35S(省エネルギー性(外壁等断熱)に適合するもの)として登録された住宅
バリアフリー性
(手すり設置)
(3)浴室及び階段に手すりが設置された住宅
バリアフリー性
(段差解消)
(4)屋内の段差が解消された住宅

表にある「等級」とは、住宅性能表示制度における等級を指しています。

※ 住宅性能表示制度とは
住宅の性能を表示する際の共通基準(等級)を定め、その数字の大小により消費者による住宅性能の相互比較を可能とする制度です。他の住宅の優遇制度や補助金を受ける際に必要な性能要件もこの等級が多く用いられています。評価住宅は万一の際、各地弁護士会の紛争処理支援を受けられる、また、地震保険が割引となるメリットがあります。

この基準をかんたんに説明すると、Bプランはワンランク上の基準、Aプランは2ランク上の基準といったところです。

なお、省エネ、耐震、バリアフリーなどすべてをクリアするわけではなく、どれか一つを選択して基準を満たせばよいわけですから、負担がかなり大きいというわけではありません。

特に省エネ性の基準に関しては次に説明するように他のメリットもありますので、選択の動機が働きやすい基準といえるでしょう。

フラット35の他のメリット

フラット35の省エ基準は他の住宅優遇制度との併用がしやすい

フラット35の技術基準の内、省エネルギー性能基準について、その性能水準がどの程度のレベルなのかを他の制度と並べて示したのが以下の図になります。

各住宅制度と省エネルギー性能の関係(平成29年における制度)

各住宅制度と省エネルギー性能の関係(平成29年における制度)

フラット35の省エネ性能レベルは他の制度のレベルと同じなので併用がしやすい。

■エコ住宅補助金(平成28年度住宅ストック循環支援事業)の交付申請は平成29年9月7日で受付終了となっています。
制度の概要:エコ住宅への建替えで最大50万円の補助金 H28年度 | 住宅ストック循環支援事業

フラット35の金利Aプラン、つまり、優遇期間が10年間のプランの場合、高水準の省エネ性能が必要となります。
一方、金利Bプラン(優遇期間が5年間)の場合は、一段階低い省エネルギー性能を満たすことで利用が可能となります。

いずれにしても、省エネルギー性の基準については、エコ住宅補助金などの補助制度や認定住宅の省エネルギー性の基準と重複する部分が多く、他の住宅制度を併用しやすいというメリットがあります。

基準を満たすためには省エネ・耐震・バリアなど複数の選択肢がありますが、このような制度併用のメリットも踏まえた上で基準を選択するとよいでしょう。

まとめ

1%台の金利が完全固定で35年続くということ自体、以前は考えられないことでしたが、さらに良質な住宅に対しては国の利子補給により初期段階で0.25%が優遇されるというのはメリットとして見過ごせません。

しかも、近年ではネット銀行に限らず、地銀などでもフラット35の業界最低水準金利を打ち出すケースが多く、金融機関の選択肢の幅も増え、フラット35が非常に利用しやすい環境となっています。

ただ、省エネ性を高く、あるいは耐久性を高くすることによって工事費増加が生じてしまう部分はありますので、維持コストの低減メリットとあわせてこの商品を選ぶべきかを考える必要があるでしょう。

なお、良質な住宅に対して特典与え、建物の超寿命化や都市の省エネ化を推進したいという国の住宅政策は今後もしばらくは続くと考えられますが、予算や政治的判断により、メリットの内容が大きく見直される可能性もありますので、あくまで時限的な措置と考えておく必要があります。

変動型金利の適用金利が0.4%台と、かなりのインパクトがありますので、それとの選択を迷う面もあるとは思いますが、あくまでも、長期固定も視野に入れたいとなったときの選択肢として、このフラット35もしっかり覚えておくと良いのではないでしょうか。

なお、フラット35や変動型の選択のポイントや、今月の最新金利などについて以下のページでまとめていますので、参考にしていただければと思います。
今月の住宅ローン最新金利―フラット35・変動金利推移 | 銀行・ローン選びのポイント


上で行ったローンシュミレーションは以下のサイトで簡単にできます。
フラット35についての詳細はコチラ。
フラット35S(住宅金融支援機構)

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