住宅ローン変動金利推移 金利3%は高いのか?

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住宅ローン変動金利推移 金利3%は高いのか?


金利3%は高いのか低いのか?

住宅ローンの変動金利推移を下図に示します。
 長年続いた低金利。これまでの住宅ローンの金利推移をみると、3%でも高いと感じるのは自然なことかもしれません。でも、本当に高いといえるのでしょうか?
 バブル期以前の金利推移をご存知の方ならわかると思いますが、長年に渡って低金利が続いたのが、むしろ特異であり、長期的なスパンで金利推移を予測すると、いつ上昇に転じてもおかしくはないという見方もできるでしょう。


民間金融機関の住宅ローン変動金利推移


 2006年、5年間続いた「量的緩和政策」が解除され、その後少しずつ、住宅ローン金利は上昇しました。しかし、次第に長期固定金利の水準が下がり、どちらが固定金利で変動金利かわからないほど、両者がその低さを競い合っています。多少の凹凸はありましたが、ここ15年間、変動金利はほぼ横ばいで推移してきたといえるでしょう。 2年、3年固定などでは、一時期1%を下回る金利が表示されていたこともありましたし、最近では変動金利も1%を切る広告が目立ちます。この長年の低金利の影響から「3%なんて高い!」と感じる人も多くいるようです。

 しかし、バブル時代、変動金利は8.5%に到達したこともありました。バブル時代を除いても4~6%の水準が珍しくありませんでした。長い低金利時代を含めても、過去30年間の変動金利の平均は4%を超えると言われています。今後、20~30年という住宅ローン返済の長い期間で考えれば、3%の水準はまだまだ低いとする意見も、ある意味納得がいくでしょう。

 住宅ローンは、目先の金利だけを追いかけるのではなく、長期的展望にたって大きな潮流の推移に着目することが大切です。その潮目によって金利3%の水準が高いか低いかの評価が決まるのです。
 では、金利はどのように推移すると読むべきなのでしょうか。


今後、金利3%を大きく超えて上昇するか?

金利の上昇が許容されない背景

 金利3%は高いのではなく、過去の歴史からすると低い水準であるという意見。確かにそうですが、低金利を維持せざるを得ない経済的なバックグラウンドがあったことも事実でしょう。また、底を打った先には上昇しかないという単純な意見には、どうも一般消費者に対して中立的な立場をとっていない可能性も考えられます。いわゆる上昇リスクを根拠とした顧客扇動の意図が果たしてないといえるのか?このように多少いぶかって情報に対する過信を避けるようにしましょう。上がるかもしれない・・・というのはいわゆる長期固定金利の商品を売るときのうたい文句ですね・・・。

 近年は、リーマンショックに端を発した経済不況の影響もあり、日本でもデフレスパイラルから抜け出せる機運が見当たらず、金利の頭が押さえつけられている状況が低金利の一因として考えられます。
 過去を含めて金利推移全体を俯瞰すると、今後の金利はゾーン的に上昇するであろうとする見方もうなずけますが、経済の発展過程を過ぎ、成熟期に入った日本が、バブル黄金期の金利水準に向かうとは、この経済不況の渦中にあっては容易に想像できない面があります。経済成長に連動した金利上昇という視点では、その可能性は非常に低いという意見が大勢でしょう。

 また、これまでの住宅ローンの金利が安定した低金利で推移したのには、国の金融政策がありました。量的緩和政策解除後、日銀による2回の利上げも行われ、上昇基調が囁かれていました。しかし、経済不況の影響が大きいこともあってか、2009年以降は頭打ちとなっています。同時に日本の公債残高が上昇の一途をたどり、もはや金利上昇があっては財政破綻を招くレベルに達しています。金利上昇が許容されない財政事情が背景にあることも無視できません。

 金利は様々な要素に連動するものですが、世界経済やアジア経済の趨勢を見渡したときに、当面は上昇しない、上昇したとしても大きな上昇とはならないと見る専門家の意見がこれまでの主流であったと考えられます。特に中国・インドなどの低価格製品の大量供給は長期的に継続すると予測され、国内での物価上昇を起きにくくさせる要因となっています。物が売れない-価格が上げられない-景気悪化-物が売れない・・・いわゆるデフレスパイラルの過程にあって、金利上昇が押さえつけられているという見方は一定の合理性があります。

 2009年12月に、同年4~9月の住宅競売数が全国で前年同期比46%増加したということがありました。戸建て、マンションの住宅ローン返済が行き詰った方が大きく増加したことを意味しますが、背景には不況による企業の人員削減や賃金カットが広がったことがあります。不景気の影響は劇的な改善がないまま底冷えが続き、住宅の買い控えも依然として続いています。

サラリーマンの平均年収推移


 不景気が加速すると、金融機関としてはできるだけ貸し倒れリスクを下げたいという意思が働きますから、返済能力が十分ある人に借りてもらうために審査が厳しくなります。そのことを裏付けるかのように、住宅ローン審査に通らない方が増加しました。それを受け、業界団体が以前のように一般のサラリーマンでも融資が受けられるよう、住宅金融公庫の直接融資を復活させて欲しいとの要望を国に提出するということもありました。
 民間金融機関の住宅ローンの貸し渋りは、生涯収入が不安定な能力・成果主義の今の時代ではある程度やむを得ないのかもしれません。低金利時代でさえ、このような厳しい状況が生じているわけですから、まして3%を超えてくるとなると、問題がより顕著となって一般庶民に降りかかってくることでしょう。

 住宅の買い控え、住宅ローン貸し渋りは裾野の広い住宅産業のみならず、日本経済の景気に大きく影響します。以上のことを背景として考えると、3%を超える水準での金利設定は当面市場が許容しないと見ることもできるかもしれません。

 住宅金融公庫時代とは変わって、住宅ローンの金利は現在、民間金融機関の市場競争が働くため、市場や景気を無視した高金利設定は難しい面があります。まして、サラリーマンの将来収入の不安がクローズアップされるような不景気が続く限りは、消費者は低金利に目がいきますから、より厳しい競争にさらされるため、3%を超える水準では、貸し手側はなかなか戦いにくいということも予想されます。

 長年の低金利に慣れてしまうと、金利感覚が麻痺するのも仕方ありません。低金利が当たり前という前提で、住宅購入を検討するのはごく自然なことといえるでしょう。以上のように、現在の経済情勢を考慮すると、金利3%は高いという消費者感覚に大きな間違いはないという見方が成り立ちます。


変動金利がどう推移するかの答えはあなたが決める・・・。

市場の動きを読むのは難しい

 しかし、赤字国債のだぶつきや、資源の価格高騰によるインフレが金利上昇を誘引するとの不安も以前から囁かれています。ですが、金利推移は全くそれらの意見を無視するかのような表情を見せています。何かエネルギーを溜め込んで、爆発のタイミングを待っているかのような、不気味な静けさともとれます。金利の上昇懸念が存在するのは確かなのですが、それが黙殺されているかのような市場の動き・・・本当に金利上昇がないと言えるのか・・・どうしても疑問符がぬぐえない状況にあるのも事実です。

 様々な金利予測に関しての情報が飛び交う中、何をよりどころにすればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。金利の動きを予測することは、専門家でも難しいことです。金利推移を左右する経済的指標は多面的であり、一側面を切り取って金利が上昇する・しないを決めつけることは適切ではありませんので、情報の受け手にも注意が必要です。
 リーマンショックの経験からもわかるように、市場は平静を装いながら水面下で負のエネルギーをため込み、均衡が崩れた瞬間に雪崩のように状況を変化させるものです。正直、金利推移を予測することが可能ならだれも苦労しない・・・そのような気持ちに駆られてしまうほど、市場の推移を予測するのは難しいことなのです。

 「不景気だから金利は上がらない・・・」「日銀の誘導により金利は上がらない・・・」「銀行は日本国債を手放し外国債に投資先を向けるため金利は上がる・・・」「資源価格インフレが飛火し金利が上がる・・・」。一つ一つの要因に一定の根拠はあっても、一側面の情報提供のみでは、情報の受け手に偏った知識を与えかねません。
 ですから、底を打ったから上がるしかないとか、過去には8.5%だったのだから3%は全然低いという単純な切り口での情報発信やセールストークに惑わされないよう注意を発したいのです。金利の上昇要素、下降要素それぞれから複数の客観的な意見を取り込み、それらを比較衡量し、金利推移に関して自己決定を下すことが大切であり、そのための材料提供を発信者は常に心がけるべきであると考えられるのです。


変動金利の推移は相対比較でしかその結果を評価できない

 今の変動金利が高いか低いかはその後の金利に対する相対比較によって変わるわけですから、最終的に金利がどう推移したかによって答えが変わります。今、3%なんて高いと思っていても、将来金利が仮に6%に上昇すると、「3%は低かった」となるわけです。ですから、この相対的に決まる価値を絶対的な価値に置き換えて判断するのは不可能なわけです。

 前述のような現時点での住宅ローンの周辺状況から考えると、変動金利3%はどうしても高く見えてしまいます。しかし、一方、変動金利が今後確実に大きく上昇推移を示すと確信している方にとっては、3%など低く見えるわけですから、3%の長期固定商品の選択に何の迷いもないということになります。つまり、3%の金利が高いかどうかを決めるのは個々人の決断によって変わるということになります。

 各人の決断は一か八かの部分もあるでしょう。どんなに情報を収集したとしても、絶対に間違いのない金利推移に関する情報にたどり着くことはないと思われます。結局は、住宅ローンを一つの投資商品ととらえ、その投資効果やリスクを資産形成の観点から自己分析していくことに尽きるわけです。
 金利推移をどう読むかは、通常、固定金利にするか変動金利にするかの選択行動を左右します。単純に基本的なところで変動か固定かを悩んでいる方は、こちらでその勘所を養ってみてください。

 一口に上昇するといっても、上昇幅、上下動、継続期間などの違いがあり、複数の上昇パターンが考えられますので、一概に金利上昇を悪と決め付けるのは早計です。住宅ローンの返済が終わるときに、トータルでどうだったかが重要なのです。そのためには常に自分が選択した商品と、選択を迷ったもう一方の商品を比較の対象として記録にとどめておくことです。つまり、絶対的な指標で損得が出せない世界ですから、常に相対価値を置いてそれに対して自分の選択の妥当性をチェックするしかないということなのです。

 仮に変動金利が上昇推移を示すとしても、上昇速度がある程度緩やかなら、変動金利の優位性も期待できます。初期において低金利で返済を進めることは非常に重要ですので、そのメリットも理解しておくことが大切です。→初期返済のメリット


変動リスクを最小化するには

 参考までに私の決断を紹介すれば、「上昇懸念あり」です。2011年6月、これまで10年間返済を続けていた変動金利の住宅ローンを長期固定金利の商品に借換えました。しかし、これは私個人の決断であって、皆さんにその選択を促すものではありません。正直、上昇するかどうかは分かりません。単純にこれだけ長期固定が下がってくると、変動金利で借りているメリットが少ないと感じただけです。金利がほとんど相違ないので、借換えによる金額的なメリットはほとんどありませんでした。手数料がかかった分マイナスです。しかし、上昇リスクが排除できたことが自分にとって大きなメリットであったと感じています。

 変動金利上昇の予測根拠は何かといえば、断言できるものはありません。あるのは漠然とした不安だけです。前述の通り、住宅ローンの金利が大きくは上昇しないであろうとの見方ができる一方で、徐々に進んでいる資源高騰、日本の国債残高のリミットオーバー、投資先を失い市場にあふれかえる大量のマネーが地下に眠っているマグマに引火し、地殻変動を起こしはしないか・・・その時金利はどう反応しているのか?そのような、形容の出来ない不安が、ただ私の中から抜けないというだけのことです。

 情報があまりにも多すぎて、取捨選択が難しく、得た情報が全てであるかも、偏りがないかも客観的にチェックすることが困難といえる状況の中、このようなことを言うと怒られるかもしれませんが、ある意味自分の直感に決断をゆだねることも必要なのではないかと思われます。
 住宅ローンは金融商品であり、変動金利には駆け引きやマネーゲームの側面がどうしてもぬぐえませんから、賭けに出るという覚悟が最後はどうしても必要になってきます。それでもリスクを最大限排除したいという方は、こちらのようにリスク分散することです。→変動型金利か?固定型金利か? 悩んだときの究極の答えは!

 今後、住宅ローンの金利推移がどのように変動するかは未知ですが、住宅は無理をして買うものではなく、あなたが買いたいとき、あるいは、買えるようになったときが、買うべき時です。これ以上は下がりようがないとうたって上昇リスクを根拠に住宅購入を扇動する事業者のセールストークなどに惑わされることだけはないようにしてください。情報に対しての客観分析ができる知識を当サイトから少しでも得ていただければ幸いです。


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