変動型金利と完全固定型金利のどちらを選択すべきか・・・。その答えは人によってさまざまですが、あなたにとって、ベストな答えに近づくための判断材料として、みんながどういう選択をしているかについてのデータを紹介します。

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住宅ローン利用者の選択動向

人によっては金額の多寡だけではなく、変動の不安排除が決定要素となる場合もあります。両者のメリットのどこに重点を置くかによって選択が傾きますが、あなたが重要と考えていることをもう一度チェックし直す意味で以下をご覧ください。

決して、あなたの考え方を見直してくださいという意味ではありません。あなたの考えがよりブレないものになり、後悔の不安が少なくなれば、それが一番望ましいことといえます。

おススメなどというものはありません。これ以降の項を通して、あなたのベストな選択が見つかることを願っています。

変動型金利と固定型金利 みんなはどちらを選んでる?

 実際にローンを組んだ方は、変動型金利と固定型金利のどちらを選んでいるのでしょう。多く選ばれている金利タイプが正解ということではありませんが、世の中の実勢を見ることも一つの目安になります。

 まずは、近年民間住宅ローンを利用した方の金利タイプの比率を見てみましょう。

民間住宅ローン利用者の金利タイプ 変動型金利45.6%、固定期間選択型金利32.8%、全期間固定型金利21.6%

 最近では、民間住宅ローン利用者の内、変動型金利を選択した方の比率が全期間固定型よりも多い結果となっています。変動型を選ぶ方が増えてきた理由としては、ここ十数年、金利に大きな上昇がなく、低い位置で推移し続けていることが挙げられます。

 利息負担の面では、完全固定型金利よりも変動型金利の方が有利な状態が長く続いてきたということです。変動型の表示金利も、1%を切る光景がよく見られるようになりました。

 一方、下図は5年以内に住宅ローンを利用する予定のある方に、変動型、固定期間選択型、全期間固定型の内、どの金利タイプを希望するかを調査したものです。

住宅ローン利用予定者の希望する金利タイプ 変動型金利24.4%、固定期間選択型金利36.1%、全期間固定型金利39.4%

 このグラフから、住宅ローン利用予定者全体での変動と固定の比率としては、変動型を希望する方が約2割強、完全固定型を希望する方が約4割程度ということがわかります。

 予定では変動は2割強なのに対し、実際の利用では4割強に増え、完全固定は予定4割から実際利用2割に減少しているのがわかります。

 やはり、変動金利の実効金利の低さに影響された結果といえるのでしょうか。

民間住宅ローン利用者の金利予想と住宅ローンを選んだ決め手

 前図から、傾向として変動金利を利用する方の率が年々高くなってきているのは確かなようです。

 やはり、長年の低金利と景況に起因してか、今後の金利は上昇しない、あるいは、上昇しても気にするほどではないとの見方をする方が増えてきたものと考えられます。

民間住宅ローン利用者の1年後の金利予想 金利の上昇気運は年々低下 現状よりも金利が上昇すると考える人は22%

 さらに、変動金利を希望する方の率が年々高くなってきているのは、金利の低さを消費者がより重視する傾向が強まってきたためと考えられます。下図の通り、住宅ローンを決めた際の決定要因はダントツで金利の低さとなっています。

 しかも、最近では誰でも返済額をものの数秒でシミュレーションできますので、金利と支払う利息額の関係を把握しやすくなりました。まさに、消費者が数字で金融機関を選ぶ時代になったというべきでしょう。

民間住宅ローン利用者の住宅ローンを選んだ決め手 金利が低いから65.1%

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