スキップフロアのスタディーコーナーのある間取り 南西外観パース

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プランの概要

家族4人暮らしを想定したコンパクトなプランです。33坪なので手狭感がありますが、吹き抜けによる開放感でそれを補っています。特徴としては、スキップフロアのスタディーコーナーをリビング横に配置し、コミュニケーションをとりながら勉強に集中できる環境をつくっています。また、キッチン横にランドリールームを設け、洗濯を中心とした家事作業をスムーズに行えるよう配慮しています。

間取り 外観・内観図

配置・平面図

1階配置平面図

2階 平面図

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立体平面図

1階立体平面図

2階立体平面図

外観図

西側外観パース

南側外観パース

基本情報

項目建物概要
階数2
LDKタイプ4LDK
玄関の向き西玄関
敷地面積186.29㎡(56.2坪)
建築面積67.49㎡(20.3坪)
建ぺい率 36.2%
床面積1階床面積62.21㎡(18.7坪)
2階床面積49.55㎡(14.9坪)
合計床面積111.76㎡(33.7坪)
延べ面積111.76㎡(33.7坪)
※2階バルコニーの一部(1.65㎡)を床面積に参入。
容積率 59.9%
  • 建築面積:外壁で囲まれた部分の水平投影面積(上空から見たときの建物が占める範囲の面積)
  • 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合(%)
  • 延べ面積:合計床面積から車庫などの緩和床面積を除いた容積率の対象となる床面積
  • 容積率:敷地面積に対する延べ面積の割合(%)

間取りの長所・短所 解説

1階間取り解説図
2階間取り解説図

この間取りの長所
  • スタディーコーナーは、吹抜け内でリビングと接しつつ、スキップフロアで半独立化しているため、作業の集中とコミュニケーションの両立ができる落ち着いた空間となっています。
  • スキップフロア下の収納は、雑多な用品類の収納に便利で、リビングまわりをすっきりとさせられます。
  • ランドリールームで「洗う・干す・たたむ・しまう」の一連の作業ができるため、家事の効率を高めてくれます。
  • ランドリールームの勝手口から前庭へアクセスでき、屋外干しや、ゴミの搬出に便利です。
  • キッチンから水廻りへのアクセスが良く、家事効率のよい計画です。
  • 回れる間取りであるため、住戸内移動がとてもスムーズです。
  • 吹き抜けが、リビングとダイニングに明るさと開放感をもたらし、窮屈感を和らげています。
  • 客間を設置していないため、坪数を抑えられています。
  • 収納スペースは○畳と全体の12.9%(理想は9%以上)あり、概ね適切な面積が確保されています。
  • 子供室は将来分割しやすいようなレイアウトとしています。
この間取りの短所
  • スキップフロアは、遊び心があり、空間としての面白さがありますが、工事コストが増える、また、長い期間が過ぎると、段差がない方が使い勝手が良かったと感じることがあります。
  • 吹抜けは、面積あたりの工事費が増える、また、熱効率が下がるため、暖まりにくい・冷えにくいが起きやすくなります。
  • 回遊性があり動きやすい反面、それが通路面積を増やし、家具の配置スペースや居室の有効スペースを圧迫しています。
  • 坪数を抑えているため、リビング・ダイニングが多少手狭になっています。
  • 客間がないため、来客者の就寝に工夫が必要です。
  • 2階バルコニーは寝室からのみ利用可能で、共有性が低いため、ほとんど使われることのない空間になる恐れがあります。
  • 脱衣室が洗面室と兼ねているため、脱衣時のプライバシーが低くなっています。
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この計画のポイント解説

この間取りの特徴について整理します。

Point

  • スキップフロアのメリット・デメリット
  • ランドリールームで家事負担軽減

スキップフロアのメリット・デメリット

◆スキップフロアはスタディーコーナーに向いている

2つの部屋を一体にするのではなくスキップフロアでつなぐと、視点のずれにより、半分独立した空間にすることができます。完全独立でもなく、密接でもない、その程よい独立性にマッチするのがスタディーコーナーです。

リビング内観パース 集中環境とコミュニケーションを両立できるスキップフロアのスタディーコーナー

「勉強はしたいが、自分の部屋だと集中できない・・・」という子は、部屋にこもるより、家族と話をしながらの方が勉強がはかどるので、リビングやダイニングテーブルで勉強したりします。しかし、それだと、会話やテレビに夢中になって、集中を持続できない場合もあります。

そこで、リビングと一体のスキップフロアをスタディーコーナーにすることで、集中をしつつ、程よく会話もできる・・・オン・オフの切り替え自由度の高い学習空間にすることができます。子供の性格がどっちつかずなら、部屋もどっちつかずにすることで室用途のミスマッチを防ぎ、学習効果を高めようという狙いです。

吹抜け内観パース スタディーコーナーは吹抜けを介してリビングとつながる

また、スキップフロアによる半独立の空間は、落ち着いた雰囲気だけでなく、かつて、隠れ家や秘密基地で子供がワクワクしたような懐かしい感情も喚起させ、楽しさの起点となります。

ダイニング内看破ーす スキップフロア下は収納室として利用

◆スキップフロアのデメリット

しかし、子供の感情は時間とともに変化しますので、結局途中から子供が利用しなくなり、ただの物置き場と化してしまう可能性もあります。子供が使わなくなった、あるいは巣立った後は、書斎や趣味コーナーとして活用するなどの将来転用も考えておきましょう。

また、「結局段差などない方がいろいろ使いやすかった・・・」と、年数を経て感じる可能性もあり、さらに、天井の低い下部収納は、年齢とともにその利用が辛くなってきます。スキップフロアはそれなりに工事費(施工手間)も増えるため、それを考慮してでも本当に設けるべきかをしっかりと考えておく必要があるでしょう。

ランドリールームで家事負担軽減

◆洗濯、乾燥、たたむ、収納が1カ所で

ここでは、ランドリールームと称していますが、いわゆるユーティリティー(便利室)といわれる部屋にあたります。この部屋は洗面室と兼用されることが多いのですが、料理・洗濯・掃除といった家事の中で、洗濯関連作業は負担のウェイトが高い作業になります。

ランドリールーム内観パース 洗濯、室内干し、アイロンがけ、たたむ、収納の一連の作業を行える

この計画は、洗濯、室内干し、アイロンがけ、たたむ、収納の一連の作業を行うための専用室を、家事の中枢位置に配置することで、家事効率を高め負担を減らす効果を期待できます。また、庭へのアクセスをとることで、屋外干し、靴洗い、ゴミの搬出などの外作業もしやすくなっています。

テラス外観パース ランドリールームから、屋外干し、靴洗い、ゴミ搬出などの外作業へ、スムーズにアクセスできる

家族の洗濯物がとにかく多い、乾燥機に頼らず干し方にもこだわりたい、乾燥が必要なアウトドア用品なども多いといった家族に向く計画です。

◆家事作業や趣味の部屋に転用も可能。

洗濯室としての利用頻度が下がっても、趣味室や家事室といった作業部屋にも転用ができます。

まとめ

「子供の集中できる勉強スペースがほしい・・・。」「毎日の洗濯の負担を減らしたい・・・」そのような希望に向いた家族4人向けの計画の例として紹介しました。

調理・洗濯・清掃・就寝・団らん・収納・学習・趣味・介護…など様々なテーマの中、重点の置きどころは人により様々ですが、ここでは、学習と洗濯という2つのテーマを重点に間取りを考えてみました。

しかし、勉強盛りで遊び盛りの子供を毎日支えていく上でこの2つは重要であることは確かですが、これが全てでないことも確かです。一つにとらわれすぎて、何をあきらめたのかが意識できないと後悔することになりますので、こうしたテーマの置き方もあるという一例としてご参考いただければと思います。

特にスキップフロアはメリットも大きい反面、ライフスタイルの変化に応じた間取りの可動性・柔軟性に反する要素が強く、10年後、20年後を見据えて採用を判断することが大切です。また、天井の低い収納庫は頭を何度も激突させることでしょう。上記に掲げたデメリットにしっかりと目を向けて、後悔をイメージすることが大切です。

何かに重点を置くと、そのメリットを享受すると同時に、他の選択肢を閉ざし、デメリットも同時に受け入れなければなりません。いいとこばかりに目を向け、全てを取り込もうとしても、必ず間取りは行き詰まります。

このような事例を数多く見て、間取りの中で自分が何に重点を置くべきか、どんな後悔をしたくないのかを、ゆっくり時間をかけて自身で気付いていくようにしましょう。(いろいろ見た結果として、特に重視するテーマを決めないというのも正解の一つになります。)