不動産を登記する際に必ず必要となるのが登録免許税ですが、住宅の場合は、一定の条件を満たすことで、軽減を受けることができます。

ここでは、住宅を新築、取得した場合の登録免許税の軽減措置の概要と実際の軽減額の算定例などについて解説します。

住宅の不動産登記に係る登録免許税の軽減措置の概要

一般住宅の不動産登記に係る登録免許税の軽減措置が2年間延長され令和4年(2022年)3月31までの取得について、従前とおなじく軽減措置が継続しています。

適用の要件(下記参照)は、古い中古住宅を除いて難しい条件はなく、一般的なマイホームの取得であれば、多くのケースで軽減を受けられます。

具体的な軽減税率は以下の通りです。

住宅用家屋の登録免許税の軽減税率

住宅については以下のような特例税率が適用されます。

■住宅の特例税率

登記種別 本則税率 住宅の特例税率
所有権保存登記 0.4% 0.15%
所有権移転登記 2.0% 0.3%、0.1%(※1)
抵当権設定登記 0.4% 0.1%
適用期間:令和4年(2022年)3月31日までに取得
※1:特定増改築等がされた買取再販住宅を取得する場合

所有権保存登記の軽減

住宅の新築時に行う所有権保存登記については0.4%→ 0.15%となります。(0.25%軽減)

所有権移転登記の軽減

中古住宅購入時に行う所有権移転登記については、2.0%→ 0.3%となります。(1.7%軽減)

特定増改築等がされた買取再販住宅はさらに軽減

宅建業者が中古住宅を買い取り、一定の良質なリフォームを行った住宅を、個人が購入した場合は、2.0%→ 0.1%となります。(1.9%軽減)

買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置-国土交通省

抵当権設定登記の軽減

住宅ローン借入時の担保設定のための抵当権設定登記については、0.4%→ 0.1%となります。(0.3%軽減)


なお、長期優良住宅や低炭素住宅などの認定住宅については、一般の住宅よりも軽減率が優遇されています。詳しくは以下を参照願います。

土地の所有権移転登記に係る登録免許税の税率

土地の所有権移転登記に係る登録免許税の税率については、以下の通り軽減されます。

登記種別 本則税率 土地の特例税率
所有権移転登記 2.0% 1.5%
適用期間:令和3年(2021年)3月31日までに取得

なお、平成31年4月1日から、適用期限がさらに2年間延長され令和3年(2021年)3月31日までの取得に対し適用されます。
令和元年(平成31年)度の税制改正-財務省


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登録免許税の軽減額をシミュレーション

○%軽減といわれても、実感がつかめないと思いますので、実際の算定例からその軽減効果を見てみましょう。

登録免許税の算定式

登録免許税の算定は以下によります。

登録免許税 算定式
登録免許税=課税標準×税率

課税標準に税率をかけたものが登録免許税です。課税標準は登記の種類により定められています。

■課税標準とは
土地・建物の登記の場合、課税標準は「不動産の価額」となり、不動産の価額は、市町村の固定資産課税台帳の価格がある場合は、その価格(固定資産税評価額)。固定資産税評価額がない場合は、登記官が認定した価額となります。

固定資産評価額とは、固定資産税を算定するための基礎として市町村が建物の構造や使用材料などから現地を確認した上で定める額です。(都市計画税、不動産取得税の算定基礎にも用いられます。)

また、抵当権の設定登記の場合の課税標準は、債権金額の総額となります。

(参考)
登録免許税の税額表(国税庁)

それでは、実際に住宅の課税標準が1,000万円としたときの登録免許税の軽減額を見てみましょう。

住宅を新築したときの登録免許税の軽減額

登記種別 本則
A
一般住宅
B
軽減額
A-B
所有権保存登記 40,000円
(1,000万円×0.4%)
15,000円
(1,000万円×0.15%)
25,000円
試算条件:課税標準=1,000万円

中古住宅を取得したときの登録免許税の軽減額

登記種別 本則
A
一般住宅
B
軽減額
A-B
所有権移転登記 200,000円
(1,000万円×2.0%)
30,000円
(1,000万円×0.3%)
170,000円
所有権移転登記
(特定増改築等がされた買取再販住宅の場合)※1
10,000円
(1,000万円×0.1%)
190,000円
試算条件:課税標準=1,000万円
※1:特定増改築等がされた買取再販住宅を取得する場合

中古住宅の所有権の移転登記では、かなり大きな額が軽減されています。このように、住宅の保存登記、所有権移転登記のいずれも、大きな負担とならないように措置されていることがわかります。

ただし、一定の年数が経過した中古住宅について軽減を受ける場合は、条件が追加されますので留意願います。

築20年(耐火は25年)以上経過した中古住宅は耐震性の証明書が必要

築20年(マンションなどの耐火建築物は25年)を超える中古住宅は、軽減を受けるためには、次に示すように耐震基準適合証明書などの耐震性を有することの書類が必要になります。なお、昭和56年(1981年)6月1日以降に工事着手された、いわゆる新耐震基準の建物であっても、直近(取得日前2年以内)に作成されたそれらの証明書の提出がなければ、軽減を受けられませんので注意しましょう。

登録免許税の税率軽減を受けるための主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の新築または引渡しから1年以内に登記をすること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 市町村が発行する住宅用家屋証明書を取得していること
  • 中古住宅の場合は築25年を超えるマンション、築20年を超える木造一戸建等では「耐震性を有することの証明書」を添付すること
■耐震性を有することの証明書(次のいずれかの書類)
 耐震基準適合証明書、住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の保険付保証明書写し

※特定の増改築等がされた買取再販住宅の税率軽減の要件は別途定めがあります。

手続きについて

一般的に、ハウスメーカーや不動産会社を通じて、司法書士が住宅用家屋証明書など軽減に必要な書類をそろえて手続き行うため、施主が軽減の手続きすることはありません。

施主としては、この軽減制度の存在や概要について、ある程度理解をしておき、軽減が適用されているかどうかをチェックするとともに、不動産の権利証といっしょに住宅用家屋証明書が引渡されているかどうかをしっかり確認するようにしましょう。

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登録免許税の税率軽減の詳細

制度の詳細については、以下をご覧ください。