ここでは、認定低炭素住宅の住宅ローン減税、投資型減税の概要、実際の減税額シミュレーション、一般住宅と比べてのメリットなどについて紹介します。

最大控除額が400万円から500万円にアップする認定低炭素住宅。
はたして、そのメリットの恩恵を皆さんが受けられるのでしょうか。

そのあたりを、実際の算定例から見ていきます。

なお、一般住宅の住宅ローン減税の概要、控除額シミュレーションについては以下をご覧ください。

一般住宅の住宅ローン控除 減税額シミュレーション

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認定低炭素住宅の住宅ローン控除(住宅ローン減税)

認定低炭素住宅の住宅ローン控除の内容
適用期間:居住年 平成26年4月1日~平成33年12月31日
住宅の種別 一般の住宅 低炭素住宅
控除対象借入限度額 4,000万円(2,000万円) 5,000万円(3,000万円)
控除期間 10年間
控除率 1.0%
最大控除額 400万円(200万円) 500万円(300万円)
年間控除額 40万円(20万円) 50万円(30万円)
消費税8%または10%適用の場合の額であり、それ以外の場合は( )内の額。

認定低炭素住宅の住宅ローン控除の優遇制度

一般にいう住宅ローン控除は、金融機関等から返済期間10年以上の住宅ローンを組んで住宅の新築・取得又は増改築等をした場合に、居住の年から10年間、住宅ローン残高の一定割合を所得税額から控除する制度です。

認定低炭素住宅は一般の住宅よりもこの最大控除額が大きく設定されています。

  • 年間控除額 一般住宅40万円 → 低炭素住宅50万円

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認定低炭素住宅とは

認定低炭素住宅とは二酸化炭素排出が少ない、つまり、省エネルギー性の高い住宅で、新築や増改築、設備改修による低炭素建築物新築等計画を作成し、市町村による認定を受けた住宅をいいます。

それによって税の優遇制度などを受けることができます。

各年の住宅ローン控除額の算出

各年の住宅ローン控除額は以下により計算します。
■住宅ローン控除額=住宅ローン年末残高×控除率(1%)

住宅ローン控除は所得から一定額を控除して税額を計算する、いわゆる「所得控除」ではなく、年末の住宅ローン残高の1%の額を納めるべき所得税から直接控除する「税額控除」となっています。

そのため、税額からダイレクトに差し引かれるので、金額が把握しやすく、戻り額も大きいため、とてもお得感を感じやすいのが特徴です。

しかし、各年のローン残高の1%の額が年間最大50万円、10年で最大500万円を上限として控除される、つまり戻ってくるという表示がされていますが、それらの額が戻ってくるわけではなく、あくまでも、その年に納める税額の範囲内の額ということに注意しましょう。

例えば、年末の住宅ローン残高の1%の額が30万円で、その年に納める税額が25万円、最大控除額が50万円/年の場合、戻る金額は25万円となります。

つまり、納める税額が少ない場合、計算から求められる控除額や最大控除額がどんなに大きくても意味がないということになります。

なお、以下に示すように、所得税を控除してもなお控除しきれない額があるときは、個人住民税から控除されることになります。

■各年の住宅ローン控除額の算出
住宅ローン控除額の算出



それでも、一般的には、最大控除額50万円/年の恩恵を受けられるのは、比較的高額の納税者ということになり、年収の多い人ほど戻ってくる額が大きいという状況を生み出しています。

このバランスの不均衡を縮小しつつ、消費税増税による住宅取得負担軽減を実現するために設けられた制度が「住まい給付金」ということになります。

すまい給付金の概要

所得税から控除しきれない額は住民税からも控除

当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額(住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額)を控除した際に、残額がある場合については、翌年度分の個人住民税において、当該残額に相当する額が、以下の控除限度額の範囲内で減額されることになります。

住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税の税率によって控除額が異なります。

住民税の控除額
適用期間(居住年):平成26年4月1日~平成33年12月31日
消費税率 控除限度額
消費税8%または10%が適用の場合 所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65 万円)
上記以外の場合 所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75 万円)

低炭素住宅として住宅ローン控除を受けるための主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
  • 借入金の償還期間が10年以上であること
  • 合計総所得金額が3,000万円以下であること
  • 低炭素建築物新築等計画の認定通知書を取得していること

平成26年4月以降入居の低炭素住宅の控除額シュミレーション

借入額が3,500万円以下の場合

以下は、3,500万円以下の借り入れをした場合の控除額の総額(所得税+住民税)を年収別に比較したものです。

平成26年4月以降の入居の場合は、最大控除額が一般住宅400万円に対し、認定低炭素住宅が500万円となりました。

しかし、以下からわかるように、一般住宅の最大控除額が400万円と十分に大きいため、この借入価格帯では一般住宅と比べて認定低炭素住宅のメリットがないことがわかります。

年収600万円の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 208万円 220万円 220万円
認定低炭素住宅 171万円 208万円 220万円 220万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収700万円の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 214万円 253万円 272万円
認定低炭素住宅 171万円 214万円 253万円 272万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収800~1,000万円の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 214万円 256万円 299万円
認定低炭素住宅 171万円 214万円 256万円 299万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

以上から、年収がどんなに高くても借入額が4,000万円以下では、一般住宅と比べて認定低炭素住宅のメリットがないことがわかります。

借入額が4,000万円以上の場合

次に、4,000万円以上の借り入れをした場合の控除額の総額比較を見てみます。

年収が900万円以上あり、借入額が4,500万円程度になると、認定低炭素住宅の控除額のメリットが出てくることになります。
なかなか、庶民派にはなじまない数字ですね。

年収800万円の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 332万円 347万円 350万円 350万円
認定低炭素住宅 332万円 347万円 350万円 350万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収900万円の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 342万円 376万円 393万円 400万円
認定低炭素住宅 342万円 385万円 427万円 457万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収1,000万円以上の場合

低炭素住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 342万円 376万円 393万円 400万円
認定低炭素住宅 342万円 385万円 428万円 464万円
試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

認定低炭素住宅の投資型減税

認定低炭素住宅の投資型減税の概要
居住年:平成26年4月1日~平成33年12月31日
控除対象限度額 控除期間 控除率 最大控除額
650万円(500万円) 1年間 10% 65万円(50万円)
消費税8%または10%適用の場合の額であり、それ以外の場合は( )内の額。
住宅ローンの利用をしなくても適用が可能。住宅ローン控除との併用はできません。

住宅ローンの借り入れの有無にかかわらず適用が可能な所得税の減税制度(投資型)が、平成33年12月まで延長・拡充されています。

なお、この投資型減税が利用できるのは、長期優良住宅と低炭素住宅の認定を受けたものに限定されており、一般的な住宅では利用ができません。

(一般住宅は住宅ローンを組むことが条件となります。内容は以下をご覧ください。)

この投資型減税は住宅ローン控除のように10年の間控除され続けるのではなく、原則一度きりの控除ということになります。

もちろん、長期優良住宅は投資型減税しか利用できないということではなく、住宅ローンを利用すれば一般住宅と同じように住宅ローン控除の利用も可能です。

控除額の算定

控除の額ですが、標準的な性能強化費用相当額の10%相当額が、その年分の所得税額から控除されます。

性能強化費用相当額とは、簡単にいうと長期優良住宅にすることにより一般の住宅よりも多くかかってしまう費用をいいます。

性能強化費用相当額は平成26年4月1日以降居住の場合、住宅の床面積×43,800円/㎡で算出します。

例えば、床面積が120㎡なら、
120㎡×43,800円/㎡=5,256,000円となり、

この10%、つまり525,600円が控除額ということになります。

しかし、もちろんその年分に納める所得税の額を超えて戻ってくることはありませんのでご注意ください。(控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除されます。)

認定低炭素住宅として所得税減税(投資型)を受けるための主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
  • 合計総所得金額が3,000万円以下であること
  • 低炭素住宅の認定通知書を取得していること

低炭素住宅の住宅ローン減税の詳細

制度の詳細については、以下をご覧ください。