住宅ローン減税(控除)で最大400万円控除


ここでは、住宅の取得(新築、新築住宅の取得、中古住宅の取得)や一定の増改築・リフォーム工事を行って10年以上のローンを組んだ場合に、納めた所得税が戻ってくる「住宅ローン減税」(住宅借入金等特別控除)について、実際の減税額および減税の仕組み算定方法などを、図解でわかりやすくお伝えします。

なお、平成 31 年10月1日の消費税10%への引き上げ対策として、減税制度が拡充されることが決まっています。(平成31年与党税制改正大綱)

住宅ローン減税の拡充措置の概要

これによって、2%増税の負担が概ね緩和されることになります。なお、このページに示す減税額算定は、現在、拡充前の制度による計算としていますのでご了承願います。

スポンサーリンク

 (用語)住宅ローン減税とは?住宅ローン控除との違い

住宅ローン減税、住宅ローン控除、住宅控除、住宅減税・・・など、いろいろな呼び方がありますが、基本的には、いずれもここで説明する「住宅借入金等特別控除」(正式名称)を指して用いられています。(ローンを利用しない場合の減税制度を呼び分けるために住宅控除とする場合もあります。)ここでは、総体的な呼び名として、通称である「住宅ローン減税」「減税額」を使いますが、説明上、直接引き去るという意味合いで「住宅ローン控除」「控除額」とする場合もあります。(どちらも同義です。)

実際の減税額シミュレーション(早見表)

まず、一般的なケースで、実際の減税額がどの程度になるのか、早見表で見てみましょう。以下の表は、次のモデルケースにおいて10年間で戻ってくる所得税及び住民税額の総額(概算)を一覧化したものです。

モデルケース

扶養家族1人(配偶者のみ)※、金利1.2%(完全固定)、返済期間30年、元利均等返済

※専業主婦のいる一般家庭を想定。なお、子は扶養控除の対象(16~22歳)年齢ではないものとし、扶養家族は配偶者1人の計算としています。

■H31年入居時の減税額(総額)の概算-年収・借入額別

借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
年収400万円 162万円 172万円 172万円 172万円
年収500万円 168万円 207万円 223万円 225万円
年収600万円 168万円 210万円 251万円 274万円
年収700万円 168万円 210万円 252万円 294万円
年収800万円 168万円 210万円 252万円 294万円
※表の額は所得税および住民税の減税額の10年間の合計(一万円未満切り捨て)・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目における計算

10年間の減税総額でみると、最大控除額の400万円には及びませんが、それなりに大きな減税額となっています。あくまでも概算ですが、ご自身のケースにおける大まかなつかみとしてご確認ください。

それでは、これらの具体的な算定方法についてみていきますが、その前にまず、利用可能な制度を見失わないためにも、住宅の所得税の減税制度は他にどのような種類があるのか・・・制度の全体を見渡してみましょう。

所得税減税制度の全体像

それでは、このページで説明する「住宅ローン減税」(住宅借入金等特別控除)以外にどのような減税制度があるのかを見てみます。

住宅ローン減税は、住宅の取得や増改築で10年以上ローンを組んだ場合に利用できるものと、特定のリフォームで5年以上のローンを組んだ場合に利用できるものの大きく2つに分けられます。

また、住宅ローンを組まなくても減税が受けられる投資型減税というのがあります。これら全体を新築系リフォーム系に分けて一覧化すると以下のようになります。

新築・取得時における所得税減税制度一覧

制度の通称 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除) 投資型減税
(認定住宅新築等特別税額控除)
ローンの要件 ローン期間10年以上 なし(ローン利用あり・なしにかかわらず利用可能)
一般住宅
利用可能
認定長期優良住宅
→詳細

利用可能
認定低炭素住宅
→詳細
減税の概要 最大控除額(年間):40万円(認定住宅は50万円)
控除期間:10年13年
最大控除額:65万円
控除期間:1年
国税庁リンク 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合 認定住宅の新築等をした場合
  • 本表は、原則として消費税8%または10%が適用され、居住開始日等が平成33年12月31日までの取得を対象として表示しています。(個人間売買での中古住宅取得など消費税非課税の場合は別に定めがあります。下部参照。)

消費税税率10%で住宅を取得し、平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に居住の用に供した場合(住宅ローン減税の拡充措置[予定]

増改築・リフォーム時における所得税減税制度一覧

制度の通称 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除) リフォームローン減税
(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
投資型減税
(住宅特定改修特別税額控除)
ローンの要件 ローン期間10年以上 ローン期間5年以上 なし(ローン利用あり・なしにかかわらず利用可能)
①~⑤以外の増改築工事
利用可能

下の②~⑤と併せて行う場合に利用可能
①耐震 →詳細
利用可能
②バリアフリ-
 →詳細

利用可能
③省エネ →詳細
④同居対応
 →詳細
※1
⑤長期優良住宅化 →詳細 ※2
減税の概要 最大控除額:40万円(年間)
控除期間:10年13年
最大控除額:25万円(総額)
控除期間:5年
最大控除額:25万円(バリアフリーは20万円、長期優良住宅化は50万円)
控除期間:1年
国税庁リンク 増改築等をした場合 借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合借入金を利用して省エネ改修工事をした場合借入金を利用して多世帯同居改修工事をした場合 耐震改修工事をした場合バリアフリー改修工事をした場合省エネ改修工事をした場合多世帯同居改修工事をした場合耐久性向上改修工事をした場合
  • 本表は、原則として消費税8%または10%が適用され、改修後の居住開始日等が平成33年12月31日までの増改築等を対象として表示。

※1:増築、改築、大規模の修繕又は模様替え工事、もしくは、家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事に該当する場合に利用が可能。※2:上記(※1)の工事に該当する場合、もしくは所定の耐震改修工事または省エネ改修工事に該当する場合に利用が可能。消費税税率10%で住宅を増改築等し、平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に居住の用に供した場合(住宅ローン減税の拡充措置[予定]

このように、ローン年数や、支払方法(現金払いかローンか)によって利用できる減税制度が異なりますので、ご自身の工事の内容、工事額、支払方法に合わせて制度を活用できることを覚えておきましょう(いずれかの選択適用)。

なお、戸建て住宅を新築したり、新築や中古の戸建て住宅・マンションを購入するといった、通常の住宅取得のケースでは、ここで説明する住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)を利用するのが一般的です。(この制度は、上に示すように10年以上のローンを要する工事であれば、新築・取得だけではなく、増改築・リフォームでも利用することが可能です。)

10年以上ローンを組めば、他の要件も特に難しくはないため、利用がしやすく、最も大きな減税を受けられる制度になっています。それでは、一般住宅(認定住宅以外)におけるこの制度の内容について、くわしく見ていきましょう。

スポンサーリンク

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の概要

一般住宅(認定住宅以外)における住宅ローン減税をもう少し詳しくまとめたのが以下の表となります。

■住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)(一般住宅)の制度概要

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)(一般住宅)の制度概要平成31年10月1日の消費税8%から10%への引き上げに伴い、住宅ローン減税の拡充措置が講じられることになりました。これにより、控除期間が3年間延長され、消費税2%増税相当分の負担が、住宅ローン減税という形で還元されることになります。
(参考)
マイホーム購入をお考えの皆様へ、住宅ローン減税の控除期間が3年間延長されます!-国土交通省平成31年度税制改正の大綱-財務省
■経過措置について
なお、平成31年10月1日以降の受け渡しで消費税10%適用となりますが、その場合であっても、平成31年4月1日までに契約したものは、8%適用となる経過措置があります。(以下参照)

もし、この経過措置に間に合わず、8%適用を逃したとしても、住宅ローン減税の拡充措置で実質負担は緩和されますので、平成32年12月31日までの入居に間に合うようであれば、無理に契約を焦る必要は無いといえます。

住宅ローン減税制度の仕組み

では次に、住宅ローン減税とはどういうものなのか・・・その基本的な制度の仕組みについて見ていきましょう。かんたんにいうと、以下のように、その年に納めた所得税・住民税のうち、所定の額が減税(控除)され戻ってくるというものです。

住宅ローン減税は税額から直接控除される

この制度の最大の特徴は、「所得控除」ではなく「税額控除」であるという点です。
図で見てみましょう。

住宅ローン減税の税額控除のイメージ

住宅ローン減税は所得からの控除ではなく税額から控除される!

みなさんになじみがあるのは、配偶者控除や、生命保険料控除ではないでしょうか。これらは、収入から控除される「所得控除」なので、課税所得が減少するというものです。よって、その所得控除の額に税率をかけた金額が減税になるという仕組みです。

一方、住宅ローン減税は、通常通り所得税を算出した後で、税額から直接差し引く「税額控除」という仕組みになっています。なので、戻ってくる税額がわかりやすく金額も大きいため、手取り感・インパクト感があるのが特徴です。

住民税も控除される

また、極端なケースを除き、通常は所得税だけでなく住民税も控除されることになります。イメージを見てみましょう。
所得税と住民税の控除のイメージ(年間)

所得税から控除してもなお、控除しきれない額は住民税から控除

住宅ローン控除の額の算出方法は後ほど説明しますが、その額はその年の住宅ローン残高に応じて、所定の方法によって算定します。

そこで、所得税を控除してもなお引ききれない額がある場合、つまり、所得税よりも算出した住宅ローン控除可能額が上回る場合については、その超えた分について住民税から控除(上限あり)されることになっています。(後述)

※正確には、住民税については翌年度分について控除されます。
詳細:新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。-総務省

控除期間は10年間続く

そして、この控除が10年間継続することになっています。
住宅ローン控除、10年間の継続イメージ

住宅ローン控除は10年間継続

※ただし、消費税10%増税による住宅ローン減税の拡充措置適用の場合は13年間となります。

スポンサーリンク

住宅ローン減税制度の手続き

手続きは、居住した年の分の所得税について、翌年に確定申告書を提出します。

サラリーマンの方であれば、所得税が毎月のお給料から天引きされていますので、確定申告で住宅ローン控除分を差し引いた税額を計算しなおし、払いすぎた分の税額が還付されることになります。

次の年以降は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を会社に提出することで、年末調整で給与の支払いと同時に戻ってくることになります。

一般的には、会社から、生命保険料控除申告書の提出を年末に求められると思いますが、それと同じタイミングで提出が求められるでしょう。

確定申告や年末調整の手続きについては、難しいことはありません。(住宅ローン減税 確定申告(Googie検索)で詳しく調べることができます。)

住民税の手続きは?

なお、住民税の控除については一部の例外を除き自動で行われるので、一般的には、市町村に住民税の申告手続き等をする必要はありません。

前述の所得税の申告を毎年することで、翌年度の住民税は控除額を差し引いた後の額が天引きされることになります。

住宅ローン控除額(減税額)の算出方法

それでは次に、住宅ローン減税額の算出方法について具体的なイメージとともに見ていきましょう。制度の詳細、算定方法は以下のリンク

に記載されていますが、これらをまとめ、所得税、住民税それぞれの控除額および限度額を一覧にすると、以下の通りとなります。(なお、わかりやすさを優先していますので、正確な表現については上のリンクをご参照願います。)

■所得税・住民税の控除額と限度額

控除額 控除限度額
所得税 住宅ローンの年末残高×1%…① 40万円…②
住民税 控除可能額(※1)
所得税額(※2)

※1 ①、②の内小さい方の額※2 住宅ローン控除適用前の所得税額

最大
136,500円
限度額については、こちらをご参照ください(下へジャンプ)
  • 消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目における内容

これをさらにわかりやすく単純化すると、各年の減税額は、以下の通り3つの額の比較で決めることができます。

住宅ローン減税額の速算
住宅ローン減税額以下の内最も小さい額
①各年の住宅ローン残高の1%②所得税の控除限度額40万円③控除対象税額:各年の所得税住民税※住民税は控除限度額(最大136,500円)(後述)

これをパターン別に図で見てみましょう。

各年の減税額の決定パターン

各年の減税額の決定パターン・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目の場合・住民税は控除限度額(最大136.500円)を示す

三角下矢印

各年において最も小さい額が減税額となる

毎年の納税額やローン残高は変化していくものですが、減税額はこの3パターンのうちのいずれかにより決定します。なお、ここで比較している控除対象税額とは、所得税および住民税の全額ではなく、住民税については、控除限度の額(最大136,500円)(後述)であることに注意してください。

■多いのはパターン3(控除対象税額で決まる)
一般的な住宅取得世代である30代の年収やローン額でみると、初期はパターン3(控除対象税額で決まる)で減税額が決定し、ローン残高が減り、所得が増えるにつれパターン1(年末ローン残高で決まる)に移行していくというケースが多いと考えられます。

パターン2(控除限度額で決まる)は借入額が4,000万円を超え、かつ高額納税者のケースです。

住宅ローン減税額の算定例

それでは、一般的なケースで減税額の具体的な算定例を見てみましょう。以下の例は、前図のパターン3(③控除対象税額で決まる場合)で、年末ローン残高が3,000万円としたときの算定例です。
住宅ローン減税額の算定例(年間)③控除対象税額で決まる場合・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目の場合※住民税は控除限度額(最大136,500円)を示す

三角下矢印

最小値である控除対象税額(216,500円)が減税額となる

3つの額の内、最も低い控除対象税額216,500円が、この年の減税額となります。課せられる所得税額が8万円と低いことが主な決定要因です。なお、前述の通り、ここでいう控除対象税額は、所得税は全額ですが、住民税については控除限度額(136,500円)となり、当初税額の全額ではありません。

では、実際に当初税額に対する控除はどのようになるのか・・・そのあたりをさらに具体的に見てみましょう。

住宅ローン減税額算定の詳細手順

上では、速算で最小値で求めるとしましたが、もう少し具体的に手順を分解して見てみます。
住宅ローン減税額の算定手順 詳細(年間)・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目の場合三角下矢印

住民税控除の上限があるため当初の税額全てが控除されるわけではない

まず、本来差し引くことのできる控除可能額(30万円)がそのまま戻ってくるわけではないという点を押さえておきましょう。これは差し引きが可能な額であって、当初税額の26万円を超えて戻ることはありません。

では、26万円が全額戻ってくるのかといえば、これもまた違います。控除可能額が30万円なのですから、当初税額26万円(内住民税18万円)の全額の控除を期待したいところですが、住民税の控除額には限度額(136,500円)が定められているため、上図のように全額控除とはならず、住民税の一部の支払いは免れないのです。

このように、控除限度額によって還元と負担のバランスがとられており、どんなに控除可能額が大きくても、それを完全に生かし切ることはできません。なお、住民税の控除限度額については以下により求めます。

住民税の控除限度額

消費税率 控除限度額
消費税8%または10%が適用の場合 所得税の課税総所得金額等×7%(最高136,500円
上記以外の場合 所得税の課税総所得金額等×5%(最高97,500円)
適用期間 居住開始日:平成26年4月1日~平成33年12月31日
詳細:新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。-総務省

スポンサーリンク

平成31年入居の住宅ローン減税額シュミレーション(詳細)

それでは、次に、もう少し具体的なシミュレーションを通して、年数経過や、年収、借入額の違いによって減税額がどう動くのか・・・そのあたりをみていきます。

計算条件について

ここでは、10年間、年収や扶養家族の増減がないものとして計算しています。本来は、ローン残高の変化だけではなく、収入状況や子の年齢の変化によって納税額、減税額がその年によって変化します。あくまで目安としてご参考ください。

毎年の減税額と決定根拠の推移

まず、上に示したものと同じモデルで、年収500万円、借入額3,000万円の場合の1年目から10年目までの減税額の推移、決定理由を見てみましょう。

■各年の控除額の決定要因とその内訳

控除年 (ローン残高の1%)① 所得税の控除限度額② 控除対象税額③(※) 控除額の内訳
所得税 住民税
1年目 29.1万円 40万円 22.56万円 8.91万円 13.65万円
 : 40万円
8年目 23.02万円 40万円 22.56万円 8.91万円 13.65万円
9年目 22.1万円 40万円 22.56万円 8.91万円 13.19万円
10年目 21.17万円 40万円 22.56万円 8.91万円 12.26万円
青字控除額を示す。[①②③の内、最も小さい額 ]
・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目における内容
※控除対象税額③:各年の所得税と住民税の納税額の合計。ただし、住民税は控除限度の額(最大13.65万円)としている。(試算条件)年収500万円、借入額3,000万円、扶養家族1人(配偶者のみ)、金利1.2%、返済期間30年、元利均等返済

上表において、色塗りとなっている額が各年の減税額です(①~③の最小値)。1年目から8年目までは③の控除対象税額で減税額が決まり、9、10年目は①ローン残高の1%で決まっていることがわかります。返済が進みローン残高が減少したことが理由です。

このように、各年によって減税額の決定要因が異なります。自分の減税額の算定根拠がわからないという方は、この点を振り返っていただくと答えにたどりつきやすいかもしれません。

年収の違いによる減税額の比較

それでは、次に、年収の違いによって減税額がどう推移するかを見てみましょう。以下は、借入額3,000万円とした場合の計算です。

■年収別-住宅ローン減税額比較表

年収 400万円 500万円 600万円
減税額(1年目)
 :
減税額(10年目)
17万2千円

17万2千円
22万5千円

21万1千円
28万2千円

21万1千円
減税総額(10年間) 172万円 223万円 251万円
・表の額は所得税と住民税の減税額の合計(千円未満切り捨て)・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目における内容(試算条件)借入額3,000万円、扶養家族1人(配偶者のみ)、金利1.2%、返済期間30年、元利均等返済

各年における減税額および減税総額は年収が高いほど多くなっていくことがわかります。この表は、同じ借入額、同じ返済条件でシミュレーションしているため、毎年の年末残高は、どの年収帯でも同じになります。つまり毎年の控除可能額は同じなのです。それなのに、なぜ、減税額が違うのでしょうか。

その理由は端的にいうと所得が多く、課せられる所得税が多いほど控除額も大きくなるからです。それを、イメージで見てみましょう。上の表の年収400万円と600万円の場合で比べてみます。
■所得の違いによる控除額の差(イメージ)
所得の違いによる控除額の差

三角下矢印

控除可能額は同じでも、所得税が多い(年収が多い)ほど減税額も多くなる

このように、控除可能額が同じでも、年収に比例して所得税が増えるため控除額も多くなります。住民税は控除額の上限があるため、両者とも控除額は変わりませんが、所得税の差がそのまま減税額の差になってくることがわかります。

借入額の違いによる減税額の変化

次に、借入額別に減税額がどのように変わるかを見てみましょう。一番上の表を再掲します。

(再掲)■H31年入居時の減税額(総額)の概算-年収・借入額別

借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
年収400万円 162万円 172万円 172万円 172万円
年収500万円 168万円 207万円 223万円 225万円
年収600万円 168万円 210万円 251万円 274万円
年収700万円 168万円 210万円 252万円 294万円
年収800万円 168万円 210万円 252万円 294万円
※表の額は所得税および住民税の減税額の10年間の合計(一万円未満切り捨て)・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目における計算(試算条件)扶養家族1人(配偶者のみ)、金利1.2%、返済期間30年、元利均等返済

傾向として借入額が多いほど減税額が増えることがわかります。それは、借入額が増えるほど、各年の年末ローン残高が増え、控除可能額が大きくなるためです。また、前述の通り、年収が多いほど控除される所得税額が大きくなるため、その効果が重なり、年収が多くなるほど減税額の増加の傾向は顕著になっています。

利息負担の増加は減税額の増加で打ち消されるか?

ここで気になるのは、借入額が多いほど減税額が増えるのであれば、利息負担が増えたとしても、その負担を打ち消してくれるのでは・・・という期待です。そして、そもそも、総利息がいくらで、それに対し減税額はどの程度の割合なのか・・・減税効果を実感するためにも、そのあたりを見てみましょう。

例えば、上の表における年収600万円の場合で、借入額2,500万円3,000万円の差をシミュレーションしてみます。

■借入額の違いによる総利息および減税額の比較 金利1.2%の場合
借入額の違いによる総利息および減税額の比較 金利1.2%の場合

減税額は、総利息と同じ比率で増えている

このケースでいえることは、まず、総利息に対する減税額の比率は約43%となっており、半分とまではいきませんが、住宅ローン減税が約4割ほどの負担軽減効果を発揮しているということです。そして、もう一つは、借入額が増えても43%の比率は変わらず、総利息に対する減税額の割合に変化がないということです。

増加率で見ると、借入額の増加率20%(2,500→3,000万円)とほぼ同率で総利息、減税額が増えています。つまり、減税額が増加するといっても、総利息に比例するだけで、利息の増加率を大きく上回るほどの軽減効果はないということがいえます。

では、同じ条件で、利息だけを0.6%に下げてシミュレーションしてみましょう。

■借入額の違いによる総利息および減税額の比較 金利0.6%の場合
借入額の違いによる総利息および減税額の比較 金利0.6%の場合

減税額が総利息に概ね相当する(減税額の増え方は前図と同じ)

こちらのケースも同様に、総利息の増加に伴って、同じ率で減税額が増加するため、負担の率は変わりません。ただ、このケースの場合は、そもそも総利息に対する減税額の比率が9割と高く、実質の負担額が非常に少なくなっています。そのため、「借入額が増えても、利息負担はあまり変わらない」・・・このような言い方もできそうです。

最近の変動型の市中金利を見ると最優遇で0.4%台というのも珍しくありませんので、仮にこうした金利が30年間変わらないとした場合は、以上のようなシミュレーションも成り立つことになります。

しかし、もちろんこれは減税効果の大きさを体感してもらうためのシミュレーションなので、いくら借りてもかまわないということを示しているのではありません。金利の変動リスクもありますし、なによりも返済能力を超えて借入額を増やしてはいけないのはいうまでもありません。

このシミュレーションからわかることは、住宅ローン減税とは、借り入れによる利息負担をかなりの程度軽減してくれること、そして、借入額の増加に応じて、負担緩和(減税)の額も概ね比例して増えるということです。借入額を決める際の一つの参考として覚えておくと良いのではないでしょうか。

最大額400万円戻ってくる場合とは?

控除期間10年間における最大の減税額は、40万円/年×10年で最大400万円が控除されるという計算になるのですが、参考に400万円戻ってくるというのはどういうケースなのかを見てみましょう。

このケースを具体的に表現すると以下の条件に該当する場合になります。

  • 10年後においても住宅ローン残高が4,000万円以上ある。
  • 毎年の所得税納税額が263,500円以上ある。

つまり、庶民的なケースではないということがいえそうです。住宅の取得世代である30代の一般的な年収を考えると、最大400万円控除の恩恵を受けられる人は、かなり、少数派ということがいえるでしょう。

スポンサーリンク

住宅ローン減税を受けるための主な要件

この減税を利用するための主な条件について掲載します。

住宅等の要件(新築、新築取得)

新築、新築取得の場合は特に難しい要件はなく、普通の方が普通に住宅を取得するのであれば、自然と達成できる内容です。

  • 自ら所有し、居住する住宅であること
  • 新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 床面積の1/2以上が居住用であること
  • 借入金の償還期間が10年以上であること
  • 年収が3000万円以下であること
  • など・・・

詳細:住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)-国税庁

中古住宅の場合

上の住宅等の要件に加え、以下のいずれかを満たす必要があります。(一般住宅)

  • 木造…築後20年以内、マンション等…築後25年以内
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入していること・・・など
  • 一定の耐震基準を満たすことが証明されるもの

詳細:中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)-国税庁

平成26年度税制改正により、現行の耐震基準に適合しない中古住宅を取得した場合であっても、所要の手続を行うことにより、この減税の適用が可能となりました。

中古住宅取得後に耐震改修工事を行う場合について(国土交通省)

要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)

増改築・リフォームの場合

上の住宅等の要件に加え、以下を満たす必要があります。

  1. 次のいずれかに該当する工事であること
    • 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
    • マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
    • 家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
    • 現行の耐震基準に適合させるための耐震改修工事
    • 一定のバリアフリー改修工事
    • 一定の省エネ改修工事
  2. 補助金等の額を除いた改修工事費用が100万円超であること
  3. 居住部分の工事費が全体の費用の2分の1以上であること。

増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)-国税庁

住宅ローン減税の詳細

制度の詳細については、以下をご覧ください。

スポンサーリンク