低炭素住宅 住宅ローン減税 投資型減税 年間最大50万円控除×10年または最大65万円


ここでは、低炭素住宅住宅ローン減税の概要一般住宅との減税額の比較シミュレーションについて紹介します。また、住宅ローンを利用しなくても利用できる投資型減税についても解説します。低炭素住宅のメリットがどの程度になるのか、実際の算定例から見てみましょう。

なお、住宅ローン減税の仕組みは一般住宅と同じです。詳細は以下で解説していますのでご参照ください。

低炭素住宅とは
ここでいう低炭素住宅とは二酸化炭素排出が少ない、つまり、省エネルギー性の高い住宅で、法律(※1)に基づいて市町村に認定された住宅(※2)をいいます。低炭素住宅は、税の優遇などさまざまなメリットがあります。
※1都市の低炭素化の促進に関する法律※2新築の際に低炭素建築物新築等計画を作成、市町村の認定を受け、その計画通りに建てられた住宅<参考>
低炭素建築物認定制度 関連情報-国土交通省
低炭素建築物認定制度について-一社 住宅性能評価・表示協会
→低炭素住宅のメリット

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低炭素住宅の住宅ローン控除制度

まず、低炭素住宅と一般住宅の違いを比べてみましょう。

低炭素住宅の住宅ローン控除(減税)の概要比較

住宅の種別 一般の住宅 低炭素住宅
控除対象借入限度額 4,000万円(2,000万円) 5,000万円(3,000万円)
控除期間 10年間
控除率 1.0%
最大控除額 400万円(200万円) 500万円(300万円)
年間控除額 40万円(20万円) 50万円(30万円)
・消費税8%または10%適用の場合の額であり、それ以外の場合は( )内の額。
・適用期間:居住年 平成26年4月1日~平成33年12月31日

このように、両者の違いは最大控除額にあります。低炭素住宅は一般住宅に比べ、年間控除額が40万円から50万円(10年間の総額で500万円)へ優遇されることになります。

なお、低炭素住宅についても、平成 31 年10月1日の消費税10%への引き上げ対策として、減税制度が拡充されることが決まっています。

住宅ローン減税の拡充措置の概要

10%への増税に伴い、控除期間が10→13年間へと3年間延長されます。

■認定住宅における住宅ローン減税の拡充措置
認定住宅の住宅ローン減税の拡充措置 現行との比較(参考)
マイホーム購入をお考えの皆様へ、住宅ローン減税の控除期間が3年間延長されます!-国土交通省平成31年度税制改正の大綱-財務省

これによって、2%増税の負担が概ね緩和されることになります。なお、このページに示す減税額算定は、1~10年目までの計算としていますのでご了承願います。

では、次に、トータルでどれほどの減税効果があるのかを見ていきましょう。

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平成31年入居の低炭素住宅の控除額シュミレーション

以下は、あるモデルケースにおける減税額の総額を、低炭素住宅と一般住宅で比較したものです。

借入額が4,000万円以下の場合

■年収・借入額別、減税総額比較表(借入額~4,000万円)
低炭素住宅 年収・借入額別、減税総額比較表(借入額~4,000万円)三角下矢印

低炭素住宅と一般住宅に減税額の差は無い

まず、借り入れ額4,000万円以下で、両者を比べてみたところ、どの年収帯においても減税額の総額に違いはありませんでした。

なぜ、減税額に違いが無いのか?

一般住宅と低炭素住宅の両者に差が無いのは、一般的な所得帯や借り入れケースでは、毎年の減税額が40万円(一般住宅の控除限度額)に到達しないためです。図で見てみましょう。

一般住宅の住宅ローン減税の解説で説明していますが、各年の減税額は、以下の3つの額の内、最も小さい額となります。

住宅ローン減税額の速算
住宅ローン減税額以下の内最も小さい額
①各年の住宅ローン残高の1%②所得税の控除限度額4050※1)万円③控除対象税額:各年の所得税住民税※2※1低炭素住宅は50万円※2住民税は控除限度額(最大136,500円)

・消費税8%または10%適用時の1~10年目の場合

ですが、実際、多くのケースでは、以下のように各年の減税額は一般住宅の控除限度額40万円に届きません

税額で減税額が決定する場合 低炭素住宅・消費税8%または10%適用時の控除期間1~10年目の場合※住民税は控除限度額(最大136,500円)を示す三角下矢印

減税額が40万円以下のケースが多く、②控除限度額が40→50万円となっても恩恵がない

このように、一般的な年収や借り入れケースでは、①住宅ローン年末残高の1%または、③税額が最小値となって減税額が決定するのが通常です。よって、②の控除限度額が40万円から50万円に拡大されても、減税額にほとんど影響がありません

つまり、そもそも、借入額4,000万円以下では、一般住宅の控除限度額40万円が十分に大きいために、低炭素住宅の減税メリットはほとんど実感できないのです。

では、借り入れ額を4,000万円以上に増やして比較してみるとどうでしょうか。

借入額が4,000万円超の場合

■年収・借入額別、減税総額比較表(借入額4,100万円~)
低炭素住宅 年収・借入額別、減税総額比較表(借入額4,100万円~)三角下矢印

年収800万円、借入額4,300万円以上で低炭素住宅にメリットが出る

年収が800万円以上あり、借入額が4,300万円を超えて、やっと低炭素住宅のメリットが出てくることになります。ただ、この数字は、住宅取得層の中心である30代若者にとっては、あまりなじまないケースといえるでしょう。

控除限度額50万円/年の恩恵を受けられるのは、比較的高年収で、借入額も多い方ということになり、しかも、劇的に減税額が増えるというわけでもありません。つまり、10年間の最大控除額500万円は、一般住宅の400万円に対し100万円多いとはいえ、現実問題としては100万円お得になるわけではないのです。

低炭素住宅の取得に当たっては、過度にここに期待をせず、その他のメリットを中心に、総合的に判断することが大切といえるでしょう。なお、低炭素住宅のメリットについては以下で整理していますのでご参照ください。
低炭素住宅のメリット ポイント解説

低炭素住宅として住宅ローン控除を受けるための主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
  • 借入金の償還期間が10年以上であること
  • 合計総所得金額が3,000万円以下であること
  • 低炭素建築物新築等計画認定通知書を取得していること

など。

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低炭素住宅の所得税減税(投資型)

それでは、次に、低炭素住宅の投資型減税概要と実際の算定例について解説します。

一般的な住宅では10年以上住宅ローンを組まなければ減税を受けることはできませんが、低炭素住宅などの認定住宅の場合、住宅ローンを組まなくても所得税の減税が受けられます。それが投資型減税です。

まず、住宅種別による住宅ローン減税と投資型減税の適用要件について整理してみます。

住宅ローン減税、投資型減税の適用要件

住宅種別 ローン利用
(10年以上)
住宅ローン減税
(住宅借入金等特別控除)
投資型減税(認定住宅新築等特別税額控除)
低炭素住宅 あり 利用可能
→詳細
利用可能(※)
なし ×利用不可
一般住宅 あり 利用可能
→詳細
×利用不可
なし ×利用不可
・適用期間:居住年 平成26年4月1日~平成33年12月31日
※住宅ローン減税との併用はできません。

このように、一般住宅では利用できない減税制度を利用できることが、低炭素住宅の優位点の一つになります。

住宅ローン控除との選択適用

なお、低炭素住宅は、現金取得の場合は、この投資型減税の一択になりますが、住宅ローンを組んで取得した場合は、投資型減税または住宅ローン減税のどちらかを選択して利用することができます。(併用はできません)

投資型減税の内容

それでは、投資型減税の内容について見てみましょう。この減税は、住宅ローン控除のように10年の間控除され続けるのではなく、以下のように、一度きりの控除になります。

■低炭素住宅の投資型減税

控除対象限度額 控除期間 控除率 最大控除額
650万円
(500万円)
1年間 10% 65万円
(50万円)
・適用期間:居住年 平成26年4月1日~平成33年12月31日
・消費税8%または10%適用の場合の額であり、それ以外の場合は( )内の額。

なお、65万円はあくまでも限度額なので、その年分に納めた所得税の額を超えて戻ってくることはありませんのでご注意ください。ただし、控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除されます。

詳しくは以下をご覧ください。
認定低炭素住宅に関する特例措置-国土交通省

減税(控除)額の算定

それでは、次に、具体的な減税額の算定例を見てみましょう。かんたんにいうと減税額は、標準的な性能強化費用相当額10%の額となります。性能強化費用相当額とは、わかりやすくいうと低炭素住宅とすることにより一般の住宅よりも多くかかってしまう費用をいいます。

性能強化費用相当額および減税額は以下により算出します。

減税額算定式
・性能強化費用相当額
=住宅の床面積×43,800円/㎡
ただし、650万円が上限
・減税(控除)額
=性能強化費用相当額×10%

居住年:平成26年4月1日~平成33年12月31日、消費税8%または10%適用の場合。

算定例

それでは、例えば、床面積が120㎡の場合で算定してみましょう。

・性能強化費用相当額
=120㎡×43,800円/㎡=5,256,000円(<上限650万円)
・減税(控除)額=5,256,000円×10%525,600円

以上より、525,600円が控除額となり、その年分の所得税額から控除されます。(控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除。)

所得税減税(投資型)の主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
  • 合計総所得金額が3,000万円以下であること
  • 低炭素住宅の認定通知書を取得していること

など・・・。

低炭素住宅の住宅ローン減税・投資型減税の詳細

低炭素住宅の各減税制度の詳細については、以下をご覧ください。

まとめ

低炭素住宅を住宅ローンで取得する場合は、この投資型減税を利用するよりも、住宅ローン減税を利用する方が、減税総額で見ると圧倒的に分があるので、選択に迷いは無いでしょう。

この投資型減税は、低炭素住宅を現金で取得した場合、またはローン期間が10年に満たない場合などで住宅ローン減税を利用できない場合に利用すべき制度といえるでしょう。

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関連リンク

低炭素住宅では、ほかにも税の優遇措置が用意されています。それらを一般住宅との比較表としてまとめていますので以下をご参照ください。


低炭素住宅のメリットについては以下をご覧ください。
低炭素住宅のメリット ポイント解説